インフルエンサーを通してプリンターを自分ゴト化!

エプソン販売が実施したインフルエンサー施策とは?

THECOOのインフルエンサーマーケティングで成果をあげたクライアント様に、その実態を伺うインタビュー・シリーズ

今回は、プリンターでお馴染みのエプソン販売からご依頼をいただき、2019年の11月から実施した、インフルエンサー・マーケティングによる家庭用プリンターの新製品プロモーションについて、エプソン販売のご担当者、大石様と、このプロモーションを担当した当社の杉山にインタビュー。その具体的な内容と特色、さらにその成果について語ってご紹介します。

※施策は2019年11月,インタビューは2020年2月に実施しています。

 大石大貴(おおいし たいき)さん

 エプソン販売株式会社

 販売推進本部 CP・BP MD部(企画)

 

 杉山由莉(すぎやま ゆり)

 THECOO株式会社

 法人セールス事業本部 インフルエンサー事業部

・大石さんはどのようなお仕事を担当されているのですか?

大石さん

 エプソン販売で、エコタンク方式のプリンターやカラリオシリーズなど、家庭用プリンターの製品プロモーションを担当しております。

・杉山さんはTHECOOでどのような仕事を担当していますか?

杉山

 美容関係を中心に、エプソン販売様のような家電系など、ゲーム関連以外の領域でのインフルエンサー・マーケティングの企画、ディレクションを担当しています。

・今回のインフルエンサー・マーケティングによるエプソンの家庭用プリンターの販売促進企画は、いつ頃から、どのように始まったのでしょうか。

杉山

 2019年春に弊社が出展した展示会で大石さんにお目にかかり、同年の夏に、年末商戦に向けてのご提案をさせて頂きました。

大石さん

 家庭用プリンターがもっとも売れるのは、年賀状づくりが始まる冬、11月から年末にかけてです。これに合わせて2019年10月末に「エコタンク」方式のプリンターの新製品を発売しました。今回はこちらをプロモーションしていきたいということで、夏からご相談、準備を進め、11月に今回のプロモーションを開始しました。

 従来の手法ではリーチできない人にリーチ

大石さんはなぜ、当社のインフルエンサーマーケティングに興味を持たれたのでしょう?

大石さん

 従来、家庭用のプリンターは年賀状シーズンのTVCMをきっかけとして、買い替えのお客様を中心に需要が高まる傾向にありました。一方で最近では誰もがスマートフォンというカメラを持ち歩く時代になっており、撮影した写真をSNSだけでなく、プリントして残したい、また大切な人に贈って思い出を分かち合いたいというニーズが高まってきていることを感じていました。 そのため、既存の施策ではリーチできなかった、プリンターになじみのないお客様に広げていくための新たなプロモーションとしてインフルエンサー・マーケティングに興味を持ちました。

大石さんは、今回のインフルエンサー・マーケティングでは、具体的にはどのような方々をターゲットとして想定されたのでしょうか。

大石さん

 実際に杉山さんにもプリンターを使っていただきながらディスカッションを重ね、若年層やママ層をターゲットにすることを決めました。当社としても、かねてからこうした方々にプリンターを認知して使っていただきたいと考えておりましたが、どのようにリーチしたら良いのか悩んでいたところでした。

エプソン販売ではこれまで、インフルエンサー・マーケティングの手法を使ったプロモーションの前例はありましたか。

大石さん

 これまで、家庭用プリンターのプロモーションでは、インフルエンサー・マーケティングを行ったことはありませんでした。マス広告であるTV-CMはインパクトがありますし、ブランド名や商品名の認知度を高めるための施策としては効果を発揮します。エコタンク方式のプリンターでTV-CMを実施した際もインクに関する困りごとを解決する内容を打ち出すことで、すでにプリンターをお持ちの方に情報をとどけることができました。一方でプリンターを持っていない人にとっては関係ない情報となるため、今回の施策においては別の手法も必要と考えていました。

 家庭用プリンターを自分ゴトに

杉山

 TV-CMに代表される従来のマーケティング手法では、残念ながら家庭用プリンターを使っていない方には、自分と関係のあるもの、つまり「自分ゴト」とは思ってもらえず、スルーされてしまうことがほとんどです。しかし、若年層やママ層に親しまれている、ふだんの生活で毎日のように関わっているインフルエンサーを起用したプロモーションなら、インフルエンサーのファンには、しっかりと家庭用プリンターの魅力が伝わる。

 

 つまり、「自分ゴト」として捉えていただける。今回のインフルエンサー・マーケティングでは、若年層やママ層に、家庭用プリンターとその活用を「自分ゴト」として感じてもらうことを、まず最初の目標として設定しました。

インフルエンサー・マーケティングといっても、インフルエンサーにはさまざまなジャンルがあり、どんなインフルエンサーをどのように起用するかで、プロモーションの性格、内容、そして効果は大きく変わると思います。杉山さんは今回、どのようなインフルエンサーをどのように起用し、エプソンの家庭用プリンターのプロモーションを展開されたのでしょうか。

杉山

 家庭用プリンターをこれまで使っていない若年層やママ層に、「自分ゴト」だと思っていただく。そのためには、その活用法と具体的なメリット、つまり「家庭用プリンターをどう使えばいいのか」「使うことで、日々の生活がどのように豊かになるか」を具体的にお伝えすることが必要です。 その方法として、静止画よりも使用シーンやHowToが伝わりやすい動画がいい、と考えました。 今回の場合では、ある程度尺のある動画での訴求が必要でしたのでYouTubeで活躍するインフルエンサーの中から候補者を選定しました。また複数人起用することで、各々の視点から家庭用プリンターの「自分ならではの使い方」を提案してもらうことにしました。

YouTubeの場合、再生回数がマーケティングの効果を測る重要な指標とされていますが、今回の施策について目標としていたものは何でしょうか。

杉山

 今回のインフルエンサー・マーケティングでは、動画の再生回数に注目するよりも、コンテンツを視聴していただいた方の「自分ゴト化」つまり「家庭用プリンターを使いたくなったかどうか」に注目することにしました。そして、それぞれのインフルエンサーのフォロワー層をしっかりとつかみ、深いコミュニケーションを実現することを目標にしました。

 インフルエンサーの個性を活かして

今回のプロモーションでは具体的に、どのようなインフルエンサーを起用されたのでしょうか。

杉山

 メインターゲットに対しては、ママ層のファンを多く持つ、ママインフルエンサー。チャレンジターゲットに対しては、10代後半から20代前半のファンを多くもつインフルエンサーを起用しました。それぞれに対して、ライフスタイルの中でプリンターを活用できそうな人、DIYのような手作りコンテンツに強みを持っている人、等、出来上がるコンテンツをイメージしながら選びました。 起用した方々にはオリエンテーションにてエプソンの家庭用プリンターの魅力を詳しく説明の上理解していただき、実際に家庭でも使ってもらいました。

起用したインフルエンサーの方々が製作された動画は、どのようなものでしたか。

杉山

 こちらの狙い通り、インフルエンサーの特性をうまく活かした、個性的かつ独創的な家庭用プリンターの楽しい使い方を紹介する動画が揃いました。

大石さん

 その中には、アルバムやテンプレートの予想外な使い方、お子さんと一緒に楽しめる斬新な使い方など、メーカ ーからは絶対に出てこないアイデア、自由な発想のものがあって、本当に驚かされました。

起用したインフルエンサーのファンからの反応は、どのようなものでしたか。

杉山

 おかげさまでファンからのコメントも多く、さらにコメントの質も高く、すべてが期待以上のものでした。特にうれしい驚きは、紹介した家庭用プリンターの製品自体へのコメントが、しかも「このプリンターが欲しい」「購入したい」「必ず買います」などのコメントが多く寄せられたことです。

大石さん

 こちらが狙っていたことを、インフルエンサーとそのファンが一緒になって発信してくれました。ファンの多くの方々が、家庭用プリンターとその購入、使用を自分に関係のある情報として認識してくださっている。家庭用プリンターに対する「自分ゴト化」を実現することができたと考えています。動画のコメントを見ても特にアルバム作成についてのコメントが多く、写真をデータだけでなく、紙で残したいというニーズは高いと感じました。

 オフラインイベントでファンを拡大

今回はYouTubeでの発信だけでなく、ファンに向けたオフラインイベントも実施されたのですよね。その成果はいかがでしたか。

杉山

 オフラインイベントは、起用したインフルエンサーの中からおひとり選定し、オフ会のような形でファンをご招待して、インフルエンサーを含めた少人数のワークショップ形式で実施しました。ご出席いただいた方々の熱気は素晴らしく、このイベントの後もファンの方のSNS投稿等で、さらに家庭用プリンターの魅力を拡大発信していただけました。ファンの熱量をブランドに転化することに成功したと感じています。

大石さん

 インフルエンサーによる発信で、これまで家庭用プリンターに興味のない方に興味を持っていただいたのですが、興味を持っていただくことと、実際の購入に至るまでの間には大きな壁があります。今回のオフラインイベントは、動画による疑似体験よりも、実体験にてその壁を超えていただければと、当初から予定していたことでした。実際にオフラインイベント後に実施したアンケートでも多数の「プリンターを購入したい」という声をいただきまして、期待以上の成果を得たと考えています。

 「お客様に近い」ことがインフルエンサーの強み

最後に、今回のインフルエンサー・マーケティングを振り返って、お二人のご感想をお聞かせください。

大石さん

 インフルエンサー・マーケティングでは、これまでのプロモーションでは情報が届かなかった方々にリーチできる、そして「自分に関係があるもの」として自分ゴト化していただけることがわかりました。メーカー目線ではなく、お客様の目線で生活に寄り添ったプロモーションが実現できたととらえております。今後とも、製品に合わせてこの手法の活用を考えていきたいと思います。

杉山

 こちらが狙っていたことを、インフルエンサーとそのファンが一緒になって発信してくれました。ファンの多くの方々が、家庭用プリンターとその購入、使用を自分に関係のある情報として認識してくださっている。家庭用プリンターに対する「自分ゴト化」を実現することができたと考えています。動画のコメントを見ても特にアルバム作成についてのコメントが多く、写真をデータだけでなく、紙で残したいというニーズは高いと感じました。

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