インフルエンサーマーケティングをご支援しているTHECOOでは、Z世代の流行をいち早くキャッチするために、早稲田大学の公認サークル、早稲田マーケティング研究会と共同でさまざまな調査やトレンドを理解するための取り組みを行なっています。
今回はコスメ好きのメンバー3名に集まってもらい、THECOO デジタルマーケティング事業本部 田中と「Z世代のコスメに関する情報の集め方」について座談会を行いました。Z世代はコスメに関する情報をどのように集め、インフルエンサーが発信する情報をどのように捉えているのでしょうか。リアルな声を徹底調査しました。
左から THECOO株式会社 デジタルマーケティング事業本部 インフルエンサー事業部 グループマネージャー 田中真愛 早稲田大学 マーケティング研究会 1年 三室杏さん 早稲田大学 マーケティング研究会 1年 浜詩緒里さん 早稲田大学 マーケティング研究会 1年 井上沙耶さん モデレーター THECOO株式会社 デジタルマーケティング事業本部 マーケティング部 上甲和志
ふだんはコスメに関する情報をどのように集めていますか?
浜さん:LipsやLemon8、InstagramやTikTokあたりを使うことが多いです。
三室さん:私は原宿にある@cosme TOKYOの店頭に行って、実際に使ってみることが多いです。
井上さん:私も@cosmeのランキングを1番信じてしまうかもしれないです。「@cosmeランキング1位」って書いてあると、「これがいいんだ!」って心に響いちゃう(笑)
三室さん:私は店員さんに話しかけるのが苦手だから、使い方がわからなくて困ることもあります。
浜さん:そんなときはその場でGoogle検索して、動画のところに出てきたYouTubeで調べちゃうかも。Instagramの中で検索してクチコミを見たりもするかな。とにかく買う前にはめちゃくちゃ調べます。
三室さん:YouTubeで使い方を調べるのって、知りたい情報が出てくるまでが長くて、つらくない?そういう意味では、Instagramで文章付きで解説している投稿のほうが見やすくていいな。
浜さん:バズってる商品は誰かしらYouTuberが紹介してくれているから、コメント欄で「◯分から紹介してます」って書いてあるのを見て、そこからチェックすればよくない?
田中:ちなみに、よく見るインフルエンサーは誰がいますか?
井上さん:私はYouTuberのななこちゃんを昔からずっと見ています。プチプラでデパコス並みの働きをしてくれるコスメをわかりやすく紹介してくれるから。
三室さん:私はきりまるちゃん。絶対きりまるちゃんタイプの顔じゃないから、そのまま真似するわけじゃないんですけど。
浜さん:YouTubeじゃないけどInstagramのリールでかぽちゃんねるはよく見ています。
三室さん:あと最近だと、毎月の支出の半分をコスメに充てる女のありちゃんはTikTokでよく見ますね。毎回大量のコスメを持ち歩いているところが、とても信憑性が高いなって思うから。
田中:インフルエンサーの投稿をよく見ていることを知れて嬉しいです。それでは、SNSのブランドの公式アカウントは見ますか?
井上さん:見ないですね。いいことしか書いてないし、ストーリーの投稿頻度が多すぎて見る気が失せちゃうので。
浜さん:私もCMを見に行っているような気持ちになっちゃって、あんまり見ないです。
三室さん:やっぱりデメリットもちゃんと言ってくれるインフルエンサーが信用できるよね。いいことばっかり言われると、「本当に?」って疑いの目で見てしまう。
いい意味でも悪い意味でも、これまで印象に残っている広告はありますか?
三室さん:コスメではないですが、某マッチングアプリの広告です。何が言いたいのか、まったく意味がわからない。逆に脱毛の広告は悔しいけど最後まで見たくなっちゃいます。起承転結の「結」がないまま終わるから、すごく後味は悪いんだけど。
井上さん:一番覚えているのは、除毛クリームの広告です。3回くらい見ちゃって頭にこびりついちゃいました。
浜さん:脱毛の広告は怪しくてイヤ。逆に「絶対に行かない!」って思っちゃう。
井上さん:私も覚えているだけで、買わないよ?
浜さん:だよね(笑)逆によかったのはモーニングルーティーンのPR動画。その中に出てきたアイテムのうちの1つがPRしたい商品だったみたいなんですけど、全然気づかずに最後まで見ちゃいました。すごく自然で本当にいいんだなって思ったし。
三室さん:最近だと(某海外コスメ)のPR動画見たことある?いろんなインフルエンサーがやりすぎてて、「また来たよ…」って萎えちゃった。
井上さん:同じ人が同じ商品を何回もPRする分には、逆に好印象なんですけどね。PRでもそんなに使い続けてるってことは、本当にいいと思っているんだなって思うから。
田中:やっぱりインフルエンサーマーケティングの大前提として、「このインフルエンサーが言うなら信じられる」っていうのは必須ですよね。私もPR案件のディレクションをするときは、「視聴者目線で見たときに、いかに自然に見てもらえるか」というのを何よりも大切にしています。ブランドの意見をすべてそのまま取り入れてしまうと、どうしても不自然な動画になってしまうので。
浜さん:台本のまま言わされてるのって、わかりますよね。
井上さん:10人が10人、まったく同じこと言ってるのを見ると冷めちゃう。「世界初◯◯成分配合」とか言われても、こっちからしたら、だから何なのか全然わからないし。
田中:やっぱりそうだよね。一度に複数人やるとしても3〜4人が限界。そんなときはなるべく視聴者の層がかぶらないYouTuberを起用するようにしています。そこはデモグラ情報だけではわからないから、自分の目で動画やコメントを見たりして、「このインフルエンサーとこのインフルエンサーはつながっていそうだから、フォロワー層もかぶってきちゃってるだろうな」といった感じで日頃からチェックしています。
浜さん:すごい!そんなところまでチェックされてるんですね。
田中:「このインフルエンサーはふだんこのブランドの下地を使っているから、この案件だったらやってくれそうかな?」というのも見ています。ブランド側とインフルエンサー側の両方を把握しないと、効果的なマッチングはできないと感じています。
浜さん:どちらにも守りたいイメージがありますもんね。
SNSにかかわらず、自分で使ったものを周りの人にすすめることはありますか?
三室さん:私はできないんですけど、逆に友だちからすすめられることはあります。この前も友だちとドンキホーテに行って、「これめっちゃいいよ!」と言われたのを迷わず買っちゃいました。すごくメイクがうまい子だから、絶対に信用できるし、説得力があるんですよね。
浜さん:私はどっちもありますね。最近、私が「まつ育」を始めて、「これ使ったらまつげめっちゃ伸びたんだよね」って友だちに教えたら、数日後にまた会ったときに「私も始めてみたよ」って言ってました(笑)
井上さん:私は自分が使っているコスメを親にすすめますね。私の親はあまりInstagramを見るほうじゃないので、老舗高級ブランドの商品しか使ったことがなかったんですよ。それで「今は安くても効果が高い韓国コスメがあるんだよ」って教えてあげたらハマっちゃったみたいで。
田中:THECOOでも視聴者本人ではなく、その母親に届くようにしたいという思いで母の日に合わせた施策をやったことがあります。親の世代はInstagramやYouTubeを見ていなかったりするから、そういう形をとったほうがクライアントにも納得してもらいやすいんですよね。
浜さん:たしかに親に何を買えばいいのかわかんないから、そういうPR動画があったら見て買っちゃうと思います。
田中:前提として、そのYouTuberが親と仲良くないとダメだけどね(笑)PR動画だからって急に親が登場するとかはありえないから、できるだけ日頃から親が登場している人を起用するようにしています。
最後に、インフルエンサーマーケティングに取り組む企業に向けて、アドバイスがあればお願いします。
浜さん:やはり一番は自然であること。ブランドとしては訴求が弱いかなと思うくらいのほうが心に響くし、買っちゃう気がします。
井上さん:そうそう。台本じゃなくてインフルエンサーのいつもの言葉で語ってくれたほうがいい。
三室さん:それにZ世代は自分を表現しようとする気持ちがすごく強いので、自分らしいメイクがわかるインフルエンサーが知りたいよね。
田中:今日のお話を参考にしながら、もっと視聴者が自分ごと化しやすい施策を考えていきたいと思います。ありがとうございました。
コスメや美容業界のインフルエンサーマーケティングの施策実施例は以下からご覧いただけます。
(文:野本 纏花)