インフルエンサーマーケティングは実施すれば大きな反応が得られ、その影響力は視聴数やインプレッション数、エンゲージメント数などで測ることができます。とはいえ、これからインフルエンサーマーケティング施策を検討している企業や、経営層や役員向けの成果の報告の場では、なかなか説得力を持ってインフルエンサーマーケティングの重要性を伝えられないこともあるのではないでしょうか。

日本国内ではまだまだインフルエンサーマーケティングに関して役立つデータが少ないですが、先行している海外ではさまざまな調査データが公開されています。この記事では、その中で役に立ちそうなものを19項目ピックアップしました。2回の記事に分けて紹介します。

この記事では、インフルエンサーマーケティング市場やインフルエンサーマーケティングのROIに関するデータを紹介します。インフルエンサーマーケティング実施についての根拠が求められた際に、強い味方になるデータになれば幸いです。

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目次

THECOOではインフルエンサーマーケティングやSNSに関する調査を定期的に実施しています。こちらもあわせてご覧ください。

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インフルエンサーマーケティング市場の拡大

さまざまマーケティングテクノロジーや新しいマーケティング手法と同じように、多くの企業がインフルエンサーマーケティングに取り組むことで市場は急拡大しています。また、その目ざましい効果を感じた企業を中心に、割り当てる予算も増加傾向にあります。ここではその傾向について述べたデータを紹介します。

1. 68%がインフルエンサーマーケティングの予算を増やす

出典: Influencer Marketing Hub

2/3以上のマーケターが予算を増やす方向で考えています。この結果から、マーケターはインフルエンサーマーケティングに価値を感じ、自信を持って施策を強化する方向に動いていることが見えてきます。

2. 47%がインフルエンサーマーケティングに全体予算の20%以上を費やす

出典: Influencer Marketing Hub

インフルエンサーマーケティングはまだ比較的新しいマーケティング手法であるにも関わらず、約半数の回答者がマーケティング予算の20%以上を費やしているというのは、かなりの割合と言えるのではないでしょうか。

20%という数字は、成果が出なかった場合にはそれなりに影響のある金額なので、それだけ期待を込めて取り組んでいる企業が多いということでもあります。

3. 71%が代理店を経由せずにインフルエンサーキャンペーンを実施

出典: Influencer Marketing Hub

71%の回答者が、代理店を使わずに自社社員でインフルエンサーキャンペーンを実施していると回答しています。海外では直接実施の比率が高い結果となっていますが、この調査がは2021年に行われたもので、2019年の調査時点では自社で実施する割合が77%だったことを鑑みると、徐々に代理店への依頼が増えている傾向にあります。

直接実施を行う理由としては、インフルエンサーマーケティング代理店は玉石混交であり、評判の良くないインフルエンサーを起用してしまうのを懸念していることが要因として考えられます。そういうことからも、ブランドの価値向上にともに取り組んでいくことのできる、信頼できる代理店を探すことが重要だと感じている企業が多いようです。

4. 93%のマーケターがインフルエンサーマーケティングの実施経験がある

出典:SocialPubli

インフルエンサーマーケティングは、93%のマーケターが利用したことがあるほどメジャーな施策になっています。マーケターがインフルエンサーを多く起用しているかどうかは別にして、試していることは明らかです。商材や手法にもよりますが、インフルエンサーマーケティングは、ここ数年のマーケティング最大のイノベーションと言える勢いがあります。

インフルエンサーマーケティングは大きな市場セグメントになりつつある

どんな商品やサービスでも、”競合と差をつける”ことに挑戦できる機会は生まれています。逆に言えば、自分たちが先んじてやらなければ、競合他社がその機会によって生まれる潜在顧客にアプローチしてしまうことにもなります。

インフルエンサーを起用する最大のメリットは、企業規模や知名度に関係なく、ターゲット顧客に訴求できる人物を起用できることにあります。例えば、DIY商品をプロモーションする場合には、DIYの専門家に依頼することができるでしょうし、若年層をターゲットにしたコスメのプロモーションであれば、同年代のインフルエンサーを選ぶとよいでしょう。工務店や家具販売店であれば、ターゲットとする地域で生活するライフスタイル系のインフルエンサーがよいでしょう。

5. 2022年のインフルエンサーマーケティング市場規模は150億ドルに達する

出典: Insider Intelligence

2020年の同じ調査では市場規模が25億ドルと推定されていたことを考えると、この2年で市場が大きく増加していることがわかります。

6. 2023年は全世界で320億ドル以上がインフルエンサーマーケティングに使われる

出典: Augusta Free Press

2022年から2023年にかけても市場全体でインフルエンサーマーケティングの大きな成長が見込まれていることがわかります。サイバー・バズの調査では国内の市場規模が741億円と推定されていますが、世界規模で見るとまだまだ日本のインフルエンサー起用は広まる可能性があることがわかります。

インフルエンサーマーケティングは高いROIを期待できる

インフルエンサーマーケティングのROIの測定は他の手法より難しいです。その理由は、購入に特定のインフルエンサーの投稿が貢献していることを判定することが場合によっては難しいからです。

そのため、現実的な効果測定の方法としては、インフルエンサーが制作したコンテンツへのリンク設置、インフルエンサー専用の割引コード(アフィリエイトマーケティングと併用することが多い)の提供、顧客調査、コンテンツに対する顧客のエンゲージメントの追跡、などがあります。実データとして各社がデータを出すことは難しいこともありますが、他社の実績を参考にしてみるのもよいのではないでしょうか。

7. インフルエンサーマーケティングはバナー広告の11倍のROIに達する

出典:CONVINCE&CONVERT

Convince&Convertの調査では、ある食品ブランドを対象にしてこの結果が算出されました。フードブロガーなどのインフルエンサーを利用して消費者にリーチしていることでこの結果が出たようです。

8. インフルエンサーマーケティング施策で1ドルあたり平均5.2ドル獲得している

出典:Influencer Marketing Hub

各施策を見ていくとROIの変動は大きく、最も高いパフォーマンスのキャンペーンは1ドルあたり20ドル獲得し、パフォーマンスの低いキャンペーンでは収支がマイナスになることもあります。キャンペーンの成功には、適切なプランニングが欠かせないと言ってよいでしょう。

9. 1ドルあたり18ドルのアーンドメディアとしての価値を生み出す

出典:Influencer Marketing Hub

これは、インフルエンサーとのタイアップが持つブランド認知の価値を示しています。インフルエンサーマーケティングはマーケティングファネルのあらゆるフェーズに効果があるため、他の指標が満足いくものでなくても、ブランド認知目的からはじめて、インフルエンサーのインプレッションとアーンドメディアの創出による価値の合計を従来の広告施策と比較する必要があるのです。

10. 89%のマーケターが、インフルエンサーマーケティングは少なくとも他の手法と同程度のROIだと回答

出典:Smart Insights

マーケターは、インフルエンサーマーケティングで短期的な売上以上の価値があることに注目してください。その代わりに、インフルエンサーの投稿によるポジティブな反応やブランド認知など、あまり「目に見えない」利点の価値を含めましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。海外ではインフルエンサーマーケティングの活用がさらに広がり、見込める成果も明らかになってきています。プロモーション施策の中で他チャネルとの比較を求められた際にも役に立つのではないでしょうか。

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