消費者のSNS利用率増加に伴い、インフルエンサーマーケティングを取り入れる企業も増えてきました。インフルエンサーマーケティングというと、タイアップ投稿をイメージされる方も多いと思いますが、徐々に「ギフティングプロモーション」への注目が高まっています。

この記事では、なぜギフティングプロモーションが注目されているのか、他のプロモーションとはどこが違うのかを紹介します。

目次

ギフティングプロモーションとは

ギフティングプロモーションとは、SNSで活躍するインフルエンサーへ商品やサービスを提供し、SNSでの投稿数増加や認知拡大を目的としたプロモーションです。

商品やサービスを使ってみて本当に気に入ってくれたインフルエンサーが、”インフルエンサー自身が感じたまま”に言葉にして投稿するため、ユーザーにも受け入れてもらいやすくなります。

ギフティングプロモーションが求められる理由

なぜいまギフティングプロモーションが注目されているのでしょうか。それには、おもに3つの理由があります。

以下は弊社の「SNSを介した購入経験に関する意識調査」より抜粋です。

1. 約80%がSNSを眺めていて商品がほしくなった経験がある

調査によると、SNSで商品やサービスを認知し購入検討をする消費者が非常に増えていることがわかります。「商品を知り突然ほしくなった」「よく目にするようになり徐々にほしくなった」とあるように、SNSで消費者の態度変容がおこっていることがわかります。

ここで注目したいのが、「よく目にするようになり徐々にほしくなった」ユーザー数が非常に多いことです。

これは商材のターゲット年齢や価格帯が影響していることも考えられますが、一方で、さまざまなシーンで商材に関する投稿を目にすることで「多くの人が使っている」という安心感から、購入意欲につながったユーザー層であるとも言えます。

2. 47%のユーザーが月に1回以上SNSで商品をみて購入している

47%のユーザーが週に1回または月に1回以上、商品購入やサービス利用にSNSを活用しています。

10代・30代の男女では50%を超えるほどとなっており、なにか商品購入やサービス利用を検討しているときにSNSへ情報を求めにいく行動を自然と行っています。

3. 参考にするのは「公式アカウント」と「インフルエンサー投稿」

全体的には公式アカウントを参考にすることが多い傾向ですが、若い世代では公式アカウントに加えてインフルエンサーからの情報も参考にしている割合が多くなります。

消費者にとって身近な存在であるインフルエンサーからの発信が購買行動に影響しているといえます。

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ギフティングプロモーションの目的

上記背景から、ギフティングは影響力のあるインフルエンサーを活用し、おもに「SNSでの投稿数増加」や「認知拡大」が目的となります。いずれもSNS上で商品の流行感を演出する目的で活用されます。

SNSアカウント運用や他のキャンペーンによって自然なクチコミを増やすことも有効な手段とはなりますが、時間がかかるケースが多く、新商品発売のタイミングとなるとより難しさを増してしまいます。

そのためギフティングプロモーションは、新商品発売やリブランディングのタイミングであったり、まだ流行する前の商品と相性がよいといえます。

また、ギフティングと他の施策をあわせて実施するケースもよくみられます。

例えば、新商品の情報解禁のタイミングではタイアップ投稿を依頼し確実な投稿を、数日後の発売直前にギフティングを行って、発売日にはすでにSNS上に投稿が多くされていて流行に敏感な層の期待をつくりあげ状態を作り出す、等です。

ギフティングとタイアップ投稿

インフルエンサーマーケティングの代表的な施策といえば、タイアップ投稿です。弊社でもよく行われているプロモーションのひとつとなります。

ギフティングとタイアップ投稿、いずれもインフルエンサーを活用した方法ですがどのような点に違いがあるのでしょうか。

投稿はインフルエンサーの任意となる

最も大きな違いは、投稿の有無ではないでしょうか。

タイアップ投稿ではSNSへの投稿が確約されていますが、ギフティングではインフルエンサーに投稿有無をゆだねる形となります。

もし投稿してもらえる場合でも、内容や日程に関する指示はコントロールが難しく、ステマとならないために提供表記を含めてもらう程度の依頼にとどまります。

その分、タイアップよりも予算は抑えられ、インフルエンサー自身が感じたままに言葉にして投稿するためよりユーザーに受け入れられやすくなる点が強みとなります。

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インフルエンサーマーケティングにおける「ギフティング」と「サンプリング」の違い

「ギフティング」に類似するマーケティング・プロモーションの用語として「サンプリング」があります。「サンプリング」と聞くと、これまでは消費者へ試供品を配布するプロモーション方法や、アンケートを通じて市場調査を行うリサーチ方法をイメージされる方が多いと思います。

インフルエンサーマーケティングが一般的になってきたいま、ギフティングと同義でサンプリングと呼ばれることが増えてきました。しかし、その内容にはいくつか異なる部分があります。

1. インフルエンサーの起用方法

1つめは、インフルエンサーの起用方法です。

ギフティングは、フォロワー数やエンゲージメント率はもちろん、フォロワー属性やインフルエンサー本人の投稿スタイル、興味関心など、さまざまな方向からインフルエンサー候補をあげ、時間をかけて対象を選んでいきます。

対してサンプリングは、商品に興味があるインフルエンサーから応募をしてもらう形で行われることが多く、応募された中から選んでいくことが多いです。募集型のため、投稿率はギフティングよりも高くなります。

2. 拡散力

2つめは、インフルエンサーの拡散力です。

ギフティングでは、対象インフルエンサーの拡散力も選定理由のひとつとして考慮されているため、投稿された際の拡散力は大きくなります。

しかしサンプリングでは、拡散力が小さいインフルエンサーとなりがちです。

その背景として、そもそも拡散力のあるインフルエンサーは、普段からタイアップ投稿のオファーをもらったり、ギフティングの商品を受け取っています。よほど自分の好きなブランドなどでない限り、自ら案件を探したり、応募をする時間を作れないことがほとんどです。

3. 起用人数

3つめは、商品を贈る人数に違いがあります。上記にも記載したよう、フォロワー規模が異なるため、近い効果を求めようとすると人数でカバーする必要があります。ギフティングでは数十名〜100名程度が多く、サンプリングでは100名以上に商品を贈ることが多い傾向にあります。

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ステマにならないよう注意する

ギフティングにおけるステマ(ステルスマーケティング)は表からは分かりづらく、インフルエンサーマーケティングの中でもグレーとされている事が多いです。

しかし、ギフティングによる投稿もWOMマーケティング協議会によりプロモーションとして定義されています。

ギフティングに限らずですが、インフルエンサーを活用したマーケティングを行う際には、#PRや#giftedなど、企業から依頼されたプロモーションであることの明記が必要となります。また、この情報は依頼をするときにインフルエンサー側にもしっかりと伝えておく必要があります。

日本でも2023年10月よりステマに対する規制が始まるため、より一層徹底しておくべきです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ギフティングプロモーションが注目されている理由や、他のプロモーションとの違いをご紹介しました。

美容関係の商材はもちろん、他の業界でも活用されている事例も増えてきました。ぜひインフルエンサーマーケティングを活用し、プロモーションを成功に近づけていただけると幸いです。

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ギフティングでの施策実施例などは以下のページからご覧いただけます。

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