SNSの利用者増加とともに、企業にとってSNSマーケティングは重要なものとなりました。SNSマーケティングと一言でいっても、目的や手法が多くあります。この記事ではSNSマーケティングの基本やマーケティング手法についてご紹介します。

目次

 

SNSマーケティングとは

SNSマーケティングとは、SNSを通じてマーケティング活動を行い、売上につなげる手法です。しかしその目的は企業によって異なり、手法も幅広くあるため、取り組む前にきちんと理解し整理をしてから行う方がよいです。

なぜSNSマーケティングは重要か

さまざまな業種の企業がSNSマーケティングに取り組んでいますが、なぜSNSマーケティングは重要なのでしょうか。それにはいくつか理由があります。

多くの人に届くメディアに

SNSの普及率は日本人口の半数以上にものぼり、いまやなくてはならないメディアです。
特に10代後半・20代・30代の世代でのSNS利用率は8割超となっており、多くの人がSNSを利用している状況となっています。ユーザーが集まるところでマーケティング活動を行うことは必然と言えます。

参照:総務省「令和3年通信利用動向調査の結果」

SNSの投稿から購入経験がある

SNSに投稿される情報をみて、その商品やサービスを購入・利用した経験があるユーザーは増加傾向です。

THECOOで実施した「SNSを介した購入経験に関する調査」をみても、SNSの情報に触れ、商品・サービスを購入利用する頻度は平均してどれぐらいですかという質問に対して、月に1回以上と回答したユーザーは全体の半数近くにものぼります。

消費者とコミュニケーションがとれる

これまでの広告は、企業側から消費者に対して一方通行で情報を届けることが普通でした。しかし今は、SNS上で企業と消費者のコミュニケーションを通じて情報を届ける形になっています。

ここで抑えておきたいのが、企業と消費者は1:1でコミュニケーションをとっており、お互いにフラットな関係値であることです。

企業は消費者のリアルな反応を知ることができますし、消費者はコミュニケーションを通じて愛着や信頼などポジティブな感情を持ってもらえます。

SNSマーケティングの手法と期待される効果

SNSマーケティングには様々な手法が存在し、それぞれ期待できる目的や効果、効果が見られるまでの期間などさまざまです。どのような手法があるのでしょうか。

具体的には以下の6種がよくあげられます。

・SNS広告配信

・SNSキャンペーン

・UGC(User Generated Contents)

・インフルエンサーマーケティング

・SNSアカウント運用

・ソーシャルリスニング

SNS広告

各プラットフォームで出稿が可能なデジタル広告です。

掲載面や広告フォーマットは各SNSごとに異なりますが、基本的に広告予算を設定し、デモグラや興味関心などのターゲティング設定をして配信を行います。

出稿したい分だけ予算が必要ですが、広告審査も短時間で行われるためすぐに出稿を開始することができることや、起動修正がしやすいことなどから短期的な効果が期待できます。

SNSキャンペーン

SNSアカウントのフォローやいいね、拡散などを条件に、参加してくれたユーザーの中から抽選で景品やサービスが当選する手法です。

SNSの機能を使った応募条件とすることでユーザーの参加ハードルも下がり、魅力的な内容にすることで拡散性も期待できます。

コンテンツの準備や対応方法はあらかじめ決めておく必要がありますが、施策結果は比較的短期間で得ることができます。

UGC(User Generated Contents)

UGCとは、ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことです。SNSにおいてはユーザーの感想やレビュー投稿が代表的ですが、他にもブログやWiki、画像やイラストの共有サイトの投稿などもUGCの一種です。

デジタル広告に嫌悪感を抱くユーザーは少なくなく、クチコミなど信頼できる情報を参考にしています。若年層を中心にSNSで検索する購買行動も増加しており、そういった背景から、SNSでのUGC創出が注目されています。

しかしいきなりユーザー投稿を増やすことは簡単ではありません。SNSキャンペーンと後述のアカウント運用を駆使しながら、自然と投稿をしたくなる仕掛けを作る必要があり、中長期的に取り組む必要があります。

インフルエンサーマーケティング

企業がインフルエンサーのファンへの影響力を期待し、SNSで商品やサービスに関する投稿を依頼して宣伝してもらうことです。現在ではSNSでの投稿のみならず、ライブ配信や企業アカウントへの出演、販促物への利用など、さまざまな形態でのタイアップが普及しています。

インフルエンサーは一般人に近い存在で、消費者目線での情報発信を行っています。そのため、企業やマスメディアの宣伝とは異なるリアルな情報として届きやすく、消費者に響く訴求ができます。

インフルエンサーとの調整ややり取りなどで少々準備期間が必要ですが、投稿されれば比較的短期間で施策結果を振り返ることが可能です。

SNSアカウント運用

企業が公式のSNSアカウントを通じて、自社の商品やサービスに関する情報を発信します。

情報を発信することはもちろん、ユーザーが投稿したコメントに返信したり、投稿を紹介したりなど、コミュニケーションも行うことができます。

SNSアカウントの運用は長期的施策であるうえ工数がかかります。投稿するためのコンテンツ準備やデータ分析はもちろん、SNSリテラシーや戦略などの知識と時間も必要になるため、相当のリソースが必要となります。

しかし、公式アカウントのあるなしによって、SNS広告の出稿可能メニューが増えたり、SNSキャンペーンの自由度が変わったりと他の手法で出来る範囲が変わってきます。SNSマーケティングを最大限活かすためにも、可能な限りアカウント運用は検討することをお勧めします。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、SNSの消費者の意見収集を行うデータ活用手法です。

自社商品についてSNS上でどのようなことが語られているかであったり、どのようなハッシュタグとともに写真や動画が投稿されているかなど、SNS全体を俯瞰した意見収集ができます。

企業からのアンケート調査では掬いきれないユーザーのリアルな声を知ることができ、SNSマーケティングだけではなく、事業部のマーケティングとしても役立ちます。

SNSマーケティング成功の秘訣

SNSマーケティングの手法がわかったところで、実際に取り組む場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか。

SNSマーケティングの目的を明確にし、活用するSNSと手法を決める

まずはSNSマーケティングを行う目的と優先順位をしっかりと定義しておく必要があります。

商品の認知度を高めたい、短期的な集客を行いたい、ロイヤル顧客を増やしたい、など企業によって目的や期待する効果が様々ですし、それによってSNSの活用方法が大きく異なります。「何のためにSNSマーケティングを行うのか」という軸をしっかり決めておく必要があります。

SNSリテラシーや社内体制を整える

SNSマーケティングを行う上で、ITリテラシーやSNSリテラシーは必須といえます。特にSNSリテラシーはすぐに取得できるようなものではなく、そのSNSの雰囲気や文化を掴まなければなりません。普段からSNSを積極的に活用しており、どのような使い方ができるのか、どのような人が利用しており、どのような反応をしているのかをわかっておく必要があります。

またSNSマーケティングは、コンテンツの制作に時間と労力がかかります。

手法ごとにそれぞれ異なるノウハウも必要になるため、可能な限りSNSマーケティングの専任担当者をおくべきです。難しい場合は、代理店など社外リソースを活用するなども検討しておくと良いでしょう。

ユーザーとのコミュニケーションであることを意識する

SNS上では、企業と消費者は1:1でコミュニケーションをとっており、お互いにフラットな関係です。企業が届けたい情報を届けるだけでは成立しません。

消費者はどのようなコミュニケーションをとれば喜んでもらえるのか、愛着や信頼をもってもらえるのかを考えておくべきです。

ファンマーケティング

ユーザーとのコミュニケーションにおいて、ファンマーケティングについて知っておくと良いでしょう。

ファンマーケティングとは、自社の商品やサービスのファン=ロイヤル顧客を増やし、売上拡大を狙うマーケティングのことです。

デジタルシフトによってCPAやCPCが高騰していることや、消費者の広告に対する嫌悪感、日本人口の減少といった背景から、新規顧客の獲得が困難になりつつあります。そのため既存顧客とのつながりを強めて信頼関係を維持し、既存顧客の拡大を狙っていく戦略になります。

本記事ではファンマーケティングの具体的な手法については省略しますが、自社のファンをつくるために何をすればいいのか、それはSNSマーケティングのUGCやアカウント運用にも活用できる点が多くあります。SNSマーケティングもファンマーケティングも、最初のステップとして消費者から好意的に思ってもらうことが必要です。

まとめ

SNSマーケティングが注目されているいま、取り組まなければならないが何から始めれば良いのかわからないといった企業の担当者様も多いと思います。まずは自社の課題を整理し、SNSマーケティングのなかでもどの手法が自社にいま必要なものであるか、参考になれば幸いです。

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