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インフルエンサーの影響力を店舗売り上げにつなげる“リテールメディアサイネージ”とは
INDEX
インフルエンサーマーケティングは、広告主ではない第三者が、SNSでつながっている自身のフォロワーや界隈へ情報発信し、その関係値の深さから共感を促進することのできる取り組みです。
ゲーム、ガジェット、化粧品などオンラインでサービスを利用したり購入できる商材での実施が主流だったインフルエンサーマーケティングですが、近年では消費財をはじめとした店舗売り上げを重視する企業での取り組みも増加しています。
本記事ではインフルエンサーマーケティングの影響力を店舗売り上げにつなげる“リテールメディアサイネージ”の概要や活用ポイントをご紹介します。
リテールメディアとは?
リテールメディアの定義
リテールメディアは、リテール(小売)企業が媒体社として、運営しているECサイトや会員向けアプリ、実店舗に設置されたデジタルサイネージへ最適な広告配信を行う仕組みをさします。
小売企業が自社で収集・保有するファーストパーティーデータ(顧客データ)を活用することのできるリテールメディアは精度高く広告出稿を行えるのが大きな特徴であり、従来のマス広告や一般的なデジタル広告と比べ、購買決定の直前にいる、または購買決定につながりやすい環境のユーザーに直接アプローチすることが可能なメディアといえます。
市場の成長トレンド
リテールメディア広告市場はグローバルな規模で拡大しています。米国の調査会社であるeMarketerによると、2023年の世界リテールメディア広告費は約1,150億ドルに達し、2025年にはさらに1,600億ドルを超えると予測されています。
この成長の背景には、以下の要因が挙げられます。
- データ活用の進化:小売業者が保有する購買データや顧客行動データを活用し、精緻なターゲティングが可能に。
- デジタル化の加速:店舗内デジタルサイネージやECプラットフォームの普及により、広告配信の機会が増加。
- 消費者行動の変化:オンラインとオフラインの購買体験が融合し、店舗内での広告効果が高まっている。

日本においては、楽天市場のECモール内広告から始まり、大手ドラッグストアや家電量販店、コンビニエンスストアなど様々な小売企業が広告枠を提供しており、消費財メーカーのマーケターにとってリテールメディアは押さえておくべき重要な広告枠といえます。
一方で、リテールメディアはあくまで小売企業が運営する広告媒体であるため、出品していない、また卸していない商品やブランドの広告出稿は難しく、活用できる企業は限られます。
リテールメディアサイネージの特徴
リテールメディアサイネージは、リテールメディアの中でも店舗周辺に設置されたデジタルサイネージを広告活用した仕組みを指します。
店舗入り口や商品棚、レジ付近など、購買意欲が高い消費者へ直接アプローチできるため、認知から購買まで期間が非常に短く、店頭での即時的な購買促進が期待できる点が大きな魅力といえます。また、一部のリテールメディアサイネージではカメラやPOSデータ(購買データ)などのファーストパーティーデータと連動した効果測定が可能なため、費用対効果を把握しやすいのも大きな特徴といえます。
主なリテールメディアサイネージ提供元
- ドラッグストア
- ウエルシア薬局、ツルハドラッグ、新生堂薬局など
- 家電量販店
- ヤマダデンキ、ヨドバシカメラ、ビックカメラなど
- 複合施設
- ドン・キホーテ、chocoZAPなど
- コンビニエンスストア
- セブンイレブン、ファミリーマートなど
- その他
- 美容サロン、化粧室など
店頭にあるPOPや広告の情報が購買に大きく影響
デジタルOOHアドネットワーク事業およびCMS開発・運用事業を行う、株式会社MADSが2023年8月7日に発表した調査によると、店頭でのPOPや広告をきっかけに商品を購入したことのあるユーザーは67%にのぼることが確認されています。

サイネージ設置店舗だけでなく他販売チャネルの購買にも好影響
ファミリーマートのリテールメディアサイネージ「FamilyMartVision」を運営する株式会社データ・ワンが2024年10月9日に発表した調査によると、FamilyMartVision広告接触者における販売チャネル別購買率は、ファミリーマートだけでなく、その他販売チャネル全体でもリフトしていることが確認されています。

店舗売上を重視する消費財メーカーに最適な理由
1. 購買直前のユーザーに向けた高い訴求力
店頭サイネージでは店舗に入るタイミングで商品を認知、棚周辺のサイネージでは購買意欲を即座に高め、商品を手にとってもらいやすくするなど、実店舗購買の「ラストワンマイル」を制する強力なメディアです。特にクーポン情報などをクリエイティブに取り込むとより成果が高まります。
2. ファーストパーティーデータによる精密なターゲティングとレポーティング
地域や店舗でのターゲティングや、ファーストパーティーデータ(顧客データ)を使い時間帯や天候による出稿タイミングの調整を行うことができたり出稿前後の実売や認知率の変動など施策成果を具体的に把握できるレポーティングが可能です。
3. 出稿企業、小売企業、両方にメリットがある
リテールメディアサイネージは、出稿すること自体が媒体社である小売企業の売上となることから、商品を配荷していくにあたり、より良い関係値構築の材料となる取り組みといえます。
インフルエンサーマーケティングとの相性
YouTube、Instagram、TikTokなどのSNSで影響力をもつ人物やアカウントを起用し、動画や画像、テキストなどを用いて自身のファンやフォロワーに向け商品やサービスを紹介してもらう取り組みをインフルエンサーマーケティングとよびます。
この取り組みは企業が主体ではなく、第三者であるインフルエンサーとファンのパラソーシャル関係を活用し、認知や売上への貢献だけでなく、共感によるバズや流行のきっかけを生みだす可能性のある、企業自身がメッセージを発信する一般的な広告とは一線を画したメリットの多い施策といえます。
インフルエンサーマーケティングは、主にSNSを活用したオンライン施策であるため、購買動線が長いうえ店頭売上への貢献が見えにくいという課題があります。そのため、実施を控える企業も少なくありません。
このような課題に対し、リテールメディアサイネージでの広告活用は、インフルエンサーとのタイアップによって生まれたSNS上の反響を実店舗へつなげ、施策の成果も具体的に把握できるようになるため、両者の相性は非常に良いと言えます。

インフルエンサー × リテールメディアサイネージ活用例
ヘアケア × TikTokクリエイター × ドラッグストア
- 商材
- ヘアケア
- 実施目的
- 態度変容+店頭での売上促進
- 商品カテゴリ内のブランド地位向上
- 実施内容
- 作風の異なる複数のTikTokクリエイターとSNSタイアップ
- タイアップクリエイティブを二次利用、編集し複数ドラッグストアの店頭サイネージにて広告配信
- 結果
- オンライン、オフラインを横断することにより購入意向が上昇
- サイネージのみ視聴:70%
- インフルエンサータイアップ+サイネージ視聴:88.9%
- 広告出稿店舗群の売上が上昇
- ドラッグストアA:15%以上
- ドラッグストアB:10%以上
- ドラッグストアC:40%以上
- オンライン、オフラインを横断することにより購入意向が上昇
まとめ
SNS上で話題を生み出すインフルエンサーマーケティングを実店舗の売り上げ向上につなげることのできるリテールメディアサイネージと組み合わせることは、消費財メーカーにとって非常にメリットのある取り組みであるといえます。
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