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認知やブランディング手法で注目される”ショートドラマ”、企業が活用するときのポイントは?
INDEX
SNSマーケティングは日々進化をしていますが、いま、「ショートドラマ」が企業の認知・ブランディング手法として注目を集めています。
TikTokやInstagramリール、YouTubeショートといった短尺動画プラットフォームが普及し、企業の動画広告の出稿先やフォーマットなど幅が広がりました。
ユーザーのコンテンツ消費が加速している今、企業は単なる広告ではなく、ストーリー性のあるコンテンツを提供することで、より深いエンゲージメントを得られる可能性があります。
本記事では、ショートドラマとはなにか、ショートドラマが企業ブランディングに与える影響や、具体的な活用ポイントについて詳しく解説します。
ショートドラマとは
ショートドラマとは、スマートフォンでの視聴を前提とした、1分〜3分程度の短尺縦型動画になります。
名前に”ドラマ”と含まれている通り、その内容にはストーリーがあり、脚本・演出・演技などが含まれています。
テレビドラマと比較して、ハイライトのようにテンポよく進んだり、最も盛り上がるシーンから始まったりと、短尺だからこそのストーリー展開が多い印象です。またSNSでのショートドラマは、1話から5話程度に収まるものが一般的です。
映像は縦型になるため大々的な場面転換があるような演出は少なく、演者にフォーカスしたシーンが多くなります。そのためテレビドラマ撮影よりも手軽に収まる点も特徴のひとつです。
ショート動画との違い
類似するものに「ショート動画」があります。
縦型の短尺動画である点はショート動画もショートドラマも同様ですが、ショート動画はハウツーやライフハック系、トレンド(ダンス動画などチャレンジ系)、長尺動画の切り抜きなど、情報発信やエンタメ要素がある内容が中心です。
広義では、ショートドラマもショート動画のカテゴリのひとつとして捉えることもできますが、上記のように動画内容によって表現をかえているケースが多くみられます。
手軽にコンテンツ消費ができる点はショート動画もショートドラマも同じですが、後者は視聴者に深い感動や笑いなど、感情に訴える要素が含まれていることが特徴です。
Z世代を中心にTikTokで拡大
ショートドラマは、InstagramリールやYouTubeショートでも投稿されていますが、現在ではTikTokが中心となっています。
背景として「TikTokユーザーの視聴態度とフィットする」「TikTokの拡散力があるアルゴリズム」「Z世代ミレニアル世代を中心に”タイパ”思考が広がっている」などが挙げられます。
1. TikTokユーザーの視聴態度にフィット
以下はTikTok利用者の利用時間、利用目的のグラフになります。TikTokの利用時間は、2時間〜3時間が12.0%、3時間以上が15.3%と、他SNSと比較しても長時間利用する傾向があることが分かります。

また、こちらはTikTokの利用目的です。他SNSと比べて「暇つぶし」での利用が67.1%と高く、明確な目的を持たない状態のときにTikTokを利用しているユーザーが多いことが伺えます。


こういったことから、ドラマなどのエンタメコンテンツは、TikTokと相性が良いことが伺えます。
2. TikTokの拡散力があるアルゴリズム
2つめに、TikTokのアルゴリズムと相性が良いことです。TikTokのアルゴリズムは、視聴完了率やエンゲージメント(いいね・コメント・シェアなど)を重視していると言われています。
ショートドラマはストーリー性があるため共感を呼びやすく、動画が最後まで見られやすい傾向があります。また、身近なストーリーでありながらもドラマだからこそ気軽に感想などコメントをしやすいことも挙げられます。
そのため、TikTokのおすすめに掲載されやすく、拡散されやすいのです。
3. Z世代を中心に”タイパ”思考が広がっている
3つめは、タイパ(タイムパフォーマンス)思考のZ世代やミレニアル世代に、短尺のショートドラマはフィットしやすいことが挙げられます。
昨今、サビや歌始まりの音楽がヒットしやすいのは、タイパ思考やショート動画が大きく影響していると言われています。よりわかりやすい例だと、”長尺動画は倍速視聴している” などではないでしょうか。
このようにタイパを重視する世代は、長時間の動画やテンポのゆったりした動画は「時間がもったいない」という理由から視聴を避けられるケースもあります。
しかし、ドラマや映画といった感情移入ができるコンテンツを消費したいという欲求は世代を問わず存在します。
そのため1〜3分程度の短尺動画でタイパ欲求を満たしつつ、共感されるストーリーで感情移入できるショートドラマは、タイパ思考ユーザーにフィットしているのです。
このような背景から、ショートドラマはTiikTokを中心に盛り上がりを見せています。
「TikTok上半期トレンド大賞2024」では”ショートドラマ”が大賞を受賞するなど、Z世代にとっては一般コンテンツと言えます。
ショートドラマ専用アプリも登場
他にも、ショートドラマがトレンドとなった背景のひとつに、ショートドラマ専用アプリの存在があります。もともとショートドラマは、中国版TikTokの「抖音(ドウイン)」や「快手(クアイショウ)」といった、縦型動画プラットフォームで人気となっていました。
ショートドラマの市場規模は世界的に急成長しており、2023年には世界市場規模が55億ドル、2029年には566億ドル(約8.5兆円)になると予測されています*。
※出典:「縦型ショートドラマの世界市場」市場調査会社YH Research
日本でも「BUMP」というショートドラマ専用アプリが人気となっています。SNSのショートドラマと違う点は、ドラマ話数が多いことや、漫画アプリのように「待つと無料」「CMを見ると無料」などがある点です。
ショートドラマがブランドに与える影響
それでは、企業がショートドラマを活用したマーケティングを行う場合、どのような影響が考えられるのでしょうか。
1. ブランドメッセージがドラマで自然に届く
TikTokやYouTubeショート、Instagramリールなどのショート動画プラットフォームは、ユーザーがスワイプすることで次々に動画を消費する仕組みです。
ショートドラマは「ユーザーが見たい」と思うことを前提に動画が構成されています。いわゆる広告感を大きく削って、ストーリーの中で企業が伝えたいメッセージを表現しています。
そのため、「ユーザー自身が見たいと思うコンテンツ」の中に自然とブランドメッセージが含まれるため、能動的・好意的に見てもらえる広告となります。
Z総研トレンド通信によると、Z世代が好む広告表現として「トレンド感がある」「共感できて自分ごと化できる」「面白い・ストーリー仕立て・ユーモア」などが挙げられています。
企業やブランドからの一方的なメッセージが届きづらくなったいま、ショートドラマを通じてメッセージを発信することで、自然な形で好意的に伝えることができると言えるでしょう。
2. 深いブランドメッセージで自分ごと化してもらう
ショートドラマは1分〜3分ほどの長さがあるため、テレビCMなどに比べて情報量が多く、深いブランドメッセージを伝えることができます。
ただし、どういった商品やサービスなのかを説明するのではなく、ドラマのテーマになっている主人公たちの心情を中心に描くことで感情移入と共感を狙い、自分ごと化してもらうことが重要です。
感情が動く広告は人々の記憶に残りやすいこともメリットです。
3. 多くのリーチやエンゲージメントが狙える
前述の通り、TikTokで動画が評価されればバズが発生し、少ないフォロワーアカウントでも多くのリーチを獲得することができます。
さらにショートドラマは、新しい投稿をみてもらうための動画構成や、複数回視聴してもらうための構成などになっています。
例えば、ストーリーが盛り上がるところで終わって続きが気になる、といったような仕掛けや、最後まで視聴すると1度目と違った印象を受けるような仕掛けなどです。
ショートドラマを活用するときのポイント
それでは、企業がプロモーションとしてショートドラマを活用する際、どのようなポイントを押さえればよいでしょうか。
1. ”ユーザーが見たくなる”が最優先
ショートドラマは「ユーザーが見たくなる動画」であることが強みであり、ユーザーにブランドメッセージを届けるためにも重要なポイントです。
企業が伝えたいことをそのままメッセージにのせてしまうと、どうしても広告感が強く、ユーザーにとって「見たくない動画」になってしまう可能性が高くなります。
ユーザーが見たくなる動画=共感されるテーマを軸に、どのようなメッセージ発信をするべきか企画していくことが重要です。
例えばターゲットがZ世代であれば、「恋愛」「友情」「仕事」などのテーマで感情移入してもらい、さらに「日常あるある」や「実現可能な憧れ」などを軸にして共感を狙い、自分ごと化してもらう、などです。
2. 目的を明確に、エンタメとマーケティングのバランスを考慮する
基本的にショートドラマは、認知拡大やブランディングを得意とするマーケティング手法です。ショートドラマを活用するときの目的によって企画やメッセージの伝え方が大きく変わってきます。
ユーザーやTikTokを意識しすぎるがゆえにエンタメに寄せすぎても、ブランドメッセージが伝わらなくなってしまいますので、バランスが重要です。
顧客から支持されている自社の強みやブランドが目指したいことを改めて整理しながら、企画に落とし込んでいく必要があります。
基本的に自社で完結させるのは難しいと思いますので、関係者と目的を明確にしながらすすめることをおすすめします。
3. SNS広告やキャンペーンと組み合わせる
前述のように、ショートドラマは認知やブランディングとしての広告が得意です。説明欄などにキャンペーン情報を補足するなどは可能ですが、動画内で購買やキャンペーンへの参加を促すような情報を含めることには向いていません。
そのため、商品やサービスを知ってもらったユーザーにどのような行動をしてほしいかを考慮し、それに合わせたマーケティング施策と組み合わせておくことで、より成果を発揮する可能性が高まります。
例えば、SNS広告やSNSキャンペーン、インフルエンサーマーケティングなどと組み合わせておくことで、ユーザーとの接触回数を増やしブランド想起率の向上を図ったり、購買につなげるためにキャンペーンを用意する、などが考えられます。
THECOOのショートドラマサービス
最後に、THECOOで提供しているショートドラマのひとつをご紹介します。
#エモハルドラマ
20代の恋愛のエモい瞬間をテーマにした「#エモハルドラマ」は、1話完結のショートストーリーで、Z世代を中心にフォロワーを伸ばしています。
THECOOがサービス提供をしているショートドラマのひとつで、地上波のテレビドラマ制作会社が運営・制作をしており、クオリティが高く共感性の強いショートドラマを提供しています。
まとめ
日々進化するSNSマーケティングでは、ショートドラマのような新たなマーケティング手法など、さまざまな活用法が広がっています。
ぜひ自社の業界での活用事例があるのか、実際ショートドラマとはどのような動画なのか、ご興味を持っていただけると幸いです。
デジタルマーケティング支援は
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THECOOは「デジタル×コンテンツの力でブランドの価値を届ける」ことに重きを置いたデジタルマーケティング代理店で、SNSの消費者行動を中心にしたプロモーション施策の立案から実行までご支援します。インフルエンサーマーケティングやSNSマーケティング、広告運用を通じた集客、顧客獲得にお悩みの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
経験豊富な担当者が提案段階から納品、投稿までサポートしますので、長期にわたるキャンペーンやプロジェクトの場合でもご支援が可能です。また、プランニングや効果測定には独自開発のツールを活用し、データのご共有にも対応し、定性、定量の両面からブランドプロモーションの成功をサポートします。
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