インフルエンサーマーケティングの市場成長が著しい今、インフルエンサーを活用したプロモーションを実施してみたものの、「思ったような結果につながらなかった」「インフルエンサーが商品の魅力を伝え切ってくれなかった」という思いをしたことはありませんか?

今回は、インフルエンサーマーケティングを実施するうえで、結果を大きく左右するインフルエンサーの選び方、いわゆる「キャスティング」のポイントの一部をご紹介します。

目次

 

インフルエンサー選定の前に

どんなインフルエンサーに商品紹介をお願いするのかは、施策の結果に大きく影響するためとても重要です。しかし、いきなり選定を始めることはできません。選定の前に「与件整理」と「企画立案」が必要となってきます。

与件がしっかりしていないと、せっかく良いキャスティングをしても成功に繋がらない可能性もあります。少なくとも、インフルエンサーマーケティングでのターゲット層やカスタマージャーニーフェーズ、期待する態度変容は定義しておきたいところです。

はじめに与件をしっかり準備し、社内関係者・代理店・インフルエンサー本人まで齟齬なく情報が伝わるようにまとめておきましょう。与件が固まればその情報をもとに企画立案をしていきます。

下記に与件整理が簡単にできる「施策整理テンプレート」と「おすすめ企画案」をご紹介しますので、ぜひご活用ください。

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インフルエンサーの選び方 5つのポイント

商品やサービスと相性の良いインフルエンサーを起用する、ということは皆さん想像できるかと思います。しかし、それだけでは非常に多くのインフルエンサーの中からピッタリの人を探すのは困難ですし、リストアップしたとしても何を基準に選ぶか迷いが出てしまいます。そこで、主要なインフルエンサーの選び方5つのポイントをご紹介します。

1. フォロワー数・再生数

フォロワー数や再生数だけでインフルエンサーを選ぶのは危険ですが、最初の入り口としてやはりフォロワー数・再生数は一種の指標になります。

インフルエンサーマーケティングに期待する効果や目的によって、指標にする数字は異なってきます。

例えば認知を目的としているのに、フォロワー数が1万人にも満たないインフルエンサー1人を起用しても、その効果を得られる可能性は低いでしょう。どのような効果を期待しているのか、そのためにはどの程度の人たちにリーチをしたいのか、まずはおおよその目安をもってフォロワー数で区切ると良いです。

注意点として、フォロー数がそのままインプレッション数や再生回数になると考えてはいけません。YouTubeのチャンネル登録者が100万人いるとしても、初動で100万回再生はされることは滅多にありません。またTikTokのようなレコメンドが中心のSNSでは、フォロワー数よりも再生数を参考にした方が予測からの変動を抑えられるでしょう。

2. エンゲージメント率

次に見たいポイントは投稿のエンゲージメント率です。フォロワーが多くても、熱量のあるフォロワーでなければ意味がありません。エンゲージメント率の見方にはいくつかコツがあります。

・エンゲージメント率が高い投稿の傾向をつかむ
インフルエンサー同士のエンゲージメント率を比較することももちろん重要ですが、各インフルエンサーのどのような投稿に高いエンゲージメント率があるかを見ることも大切です。例えば、同じインフルエンサーの投稿でも化粧品に関する投稿はエンゲージメントが高く、ファッションに関する投稿はエンゲージメントが低いといったようにフォロワーがその人のどこに興味があるのかは異なります。

・エンゲージメントの非表示率が高くないか
SNSによってはいいねやコメントなどのエンゲージメントを表示させない機能があり、エンゲージメントが低い投稿はすべて非表示にするようなインフルエンサーもいます。投稿エンゲージメントの非表示数が多いインフルエンサーには注意が必要です。

・フェイクインフルエンサーではないか
中にはフェイクインフルエンサーと呼ばれる、フォロワーを水増ししているインフルエンサーがいるのも事実です。そのようなインフルエンサーを見分けるには、投稿に対し、どれだけいいねや高評価がされているのか、などエンゲージメント率を見ることが非常に重要です。

もちろんエンゲージメント率だけでは、意図的ではない場合もあります。フェイクかどうかを見分けるには、フォロワーが海外アカウントばかりではないか、自撮りや露出が多い投稿ばかりではないか、一過性のバズだけでフォロワーを獲得していないか、といった点もみておきたいポイントになります。

3. ターゲット層とフォロワー層

商品のターゲットとする層と、インフルエンサーのフォロワー層が一致していることはインフルエンサーマーケティングをする上でとても重要です。

・フォロワーの男女率
・フォロワーの年齢構成比

これらがフォロワー層を見極めるポイントです。

一見間違えやすいのがインフルエンサーの投稿内容だけで、インフルエンサーのフォロワー・ファン層を判断してしまうことです。

具体的には、女性インフルエンサーが自身がよく使う化粧品やファッションの紹介を頻繁にしていたとしても、フォロワーに女性が多いとは限りません。場合によっては、男性フォロワーが多いことも少なくないのです。

4. PR投稿の実施経験があるか

PR投稿の経験は必ずしも必須ではありませんが、経験のあるインフルエンサーは仕事として向き合うことに慣れているため進行がスムーズな方が多いです。PR投稿経験がないインフルエンサーを起用したい場合は、施策の流れはもちろん、契約や支払い面まで丁寧でわかりやすいコミュニケーションを心がけましょう。

ただしPR投稿がないインフルエンサーの場合、人によっては案件は断っている場合もあります。まずは案件の相談が可能かどうか、確認すると良いでしょう。

5. インフルエンサーの特徴を把握する

ここまで定量的な側面をご紹介しましたが、インフルエンサー本人の定性面にも着目すべきです。具体的には、インフルエンサーが興味のあることや、投稿の傾向、よく使っているハッシュタグやフォロワーの反応などです。インフルエンサー本人が興味のあるジャンルやカテゴリであれば、前向きに楽しんで案件に取り組んでくれる可能性が高まります。

また、普段の投稿内容を確認せず依頼をすると思いもよらない失敗につながる場合があります。

例えば、一言で「コスメ系YouTuber」といっても、商品紹介や比較などレビューをメインとしているインフルエンサーもいれば、メイク方法などテクニック紹介をメインとしているインフルエンサーもいます。こういったインフルエンサーを起用する場合は、それぞれにあわせた企画やディレクションをできると良いでしょう。

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まとめ

いかがでしょうか。今回はインフルエンサーの選び方をご紹介しました。
ご紹介しておきながらではありますが、実際にインフルエンサーの候補を作成していくと、これらのポイントすべての条件を満たすインフルエンサーが思ったより少ないといったこともよくあります。そのため、インフルエンサーマーケティング実施の目的を意識しながら、選定ポイントの優先順位をつけてインフルエンサー候補を作成していくことをおすすめします。

 

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