企業がインフルエンサーのファンへの影響力を期待し、SNSで商品やサービスに関する投稿を依頼して宣伝してもらう「インフルエンサーマーケティング」が新たなプロモーションとして注目されています。
今回は、「インフルエンサーに依頼してみたいがどうすればよいかわからない」「どんな企画があるのか知りたい」といった疑問を抱えている方向けに、近年のインフルエンサーへの依頼方法や、案件を実施する際の企画案をいくつかご紹介します。
目次
インフルエンサーに案件を依頼する方法
ここでは、インフルエンサーへの依頼方法を紹介します。インフルエンサーマーケティングの市場拡大にあわせて、様々な代理店やプラットフォームが登場していますので、企業が選択できる幅も増えています。
インフルエンサーマーケティングに取り組むにあたってどのような方法を選択するか、以下3つがポイントとなります。
・インフルエンサーマーケティングに期待する効果や目的と、提供サービスはマッチしているか
・企業担当者のリソースをどの程度確保できるか
・インフルエンサーマーケティングの知識やノウハウが社内にあるか
これらに加え、かけられる予算もあるため、自社にとってどのような方法が最適なものなのか参考にしていただけると幸いです。
依頼方法として大きく分けると、代理店、プラットフォーム、直接依頼の3種類があげられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
インフルエンサー代理店に依頼する
もっともベーシックな方法です。初めて取り組む方や、インフルエンサーマーケティングで認知やコンバージョンを目的としたい方は、まずは代理店利用をおすすめします。
インフルエンサー代理店を利用するメリットは、代理店ならではのインフルエンサーマーケティングのノウハウがあるため施策を成功に導きやすいことです。
またキャスティングできるインフルエンサーの選択肢が広いこともメリットのひとつです。インフルエンサーマーケティングにおいて、目的を達成するためにどのインフルエンサーに依頼をすべきかといった選定作業は、施策効果におおきな影響をもたらします。
代理店費用がかかるため他の方法に比べてコストはかかりますが、プロに依頼することで、スムーズな全体進行が可能です。また万が一炎上した場合でも対応をしてもらえます。
・初めてインフルエンサーマーケティングに取り組む
・企画やキャスティングなどまとめて進行してもらいたい
・インフルエンサーの影響力や拡散力に期待したい
・万が一炎上した場合に自社のみで解決できるかわからない
マッチングプラットフォームを利用する
インフルエンサーと企業のマッチングプラットフォームも多く登場しています。自社の案件に興味があるインフルエンサーを募集して依頼をしたり、プラットフォームに登録しているインフルエンサーに案件を依頼することが可能です。プラットフォーム上でインフルエンサーの管理やコミュニケーションができ、代理店への依頼に比べると費用は安く抑えられます。
こういったプラットフォームで依頼できるのは、基本的にはナノインフルエンサーと一部のマイクロインフルエンサーになります。
フォロワー数が少ないという点、また募集型では必ずしも相性の良いインフルエンサーが応募してくれるとは限りませんので、拡散力や認知度を目的とするよりは、SNSで投稿数の増加を目的とした場合に活用するのが良いでしょう。
ただし、ツール上で管理できるようになっているとはいえ、企業側が企画やキャスティング、効果分析を進めなければなりません。また案件に慣れていないインフルエンサーもいるため、ある程度のノウハウやステマに関する知識も必要です。
・マイクロインフルエンサー、ナノインフルエンサーを活用したい
・インフルエンサーマーケティングの経験やステマ知識がある
・少ない費用で実施したい
事務所や本人に直接連絡をする
最後に、直接インフルエンサーに依頼をする方法です。すでに相性のよいインフルエンサーを自社で把握しており、依頼したいインフルエンサーが決まっている場合に限られますが、中間コストがかからないため代理店やプラットフォームよりも低コストで実施が可能です。
しかし、この方法はハードルが高いため注意が必要です。
インフルエンサーマーケティングは「最適なインフルエンサーを選定できるか」が施策結果におおきな影響をもたらします。選定にはさまざまなデータや、インフルエンサーの特徴をとらえたうえで行わなければならないため、インフルエンサーの検索ツールや分析ツールの導入を検討したほうが良いでしょう。
また選定作業だけではなく、企画や投稿ディレクションなどの基本作業に加え、費用交渉やスケジュール調整、効果分析など、すべて自社で行う必要があります。進行上のトラブルや万が一炎上が起こった際も、インフルエンサーと自社でうまく調整をしなければなりません。
企業側で必要な業務量が非常に多いため、インフルエンサーマーケティング業務やインフルエンサー事務所運営に携わったことがある方で、社内にインフルエンサー施策専任の十分なリソースを用意できる場合の手段とする方がいいでしょう。
・インフルエンサーマーケティング業務やインフルエンサー事務所運営の経験がある
・社内にインフルエンサーマーケティングを進行する専任部隊がある
インフルエンサーマーケティングを実施されたことがない方は、実際どの程度のリソースが必要なのかイメージが湧きにくいかと思います。以下はインフルエンサーマーケティングの代理店である弊社の例にはなりますが、実際にインフルエンサーの投稿がされるまでをまとめている資料になります。リストにすると10のタスク、スケジュールにするとおおよそ1.5ヶ月前後かかります。
インフルエンサーマーケティングの進め方とは?
おすすめの企画案5選
次に、実施した企画でおすすめのパターンをいくつかご紹介します。実際にインフルエンサーを起用する前に、どのような方法でどのSNSで発信してもらうのか、あらかじめイメージをしておくとよりスムーズに進行できます。
現在のインフルエンサーマーケティングは、ただ商品やサービスをSNSに投稿してもらうだけではありません。代理店に依頼する場合も自社で進行する場合も、企業の課題や目的に応じて、期待する効果やみるべきKPI、どういった企画が相性が良いのか、といった観点から企画を考えます。
タイアップ投稿
インフルエンサーに、商品やサービスに関する投稿をしてもらう方法です。SNSに残るため目にする機会も多く、インフルエンサーマーケティングといえばタイアップ施策といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
SNSやインフルエンサーによって費用は異なりますが、投稿前の事前チェックや企業側のマーケティング意向を含めやすく、最初のインフルエンサーマーケティング企画としてはおすすめです。
おすすめ度 | ★★★★★ |
相性の良い業種 | SNSと相性が良い業種であれば何でも◎ |
メリット | 事前に投稿チェックができ、企業側のマーケティング意向を含めやすい。 |
デメリット | 企業意向を強く込めすぎると、インフルエンサーらしさが失われ効果が平均よりも低くなる可能性があり、バランスが難しい。 |
◆タイアップ投稿の参考例
・海外在住の日常系YouTubrに、VPNアプリの使い方を紹介してもらう
・美容やコスメ系Instagrammerに、ヘアケア商品の紹介投稿をしてもらう
ライブ配信
基本的にはタイアップ投稿と同様の内容ですが、ライブ配信はその名の通り、ライブ配信のなかで商品やサービスを紹介してもらう方法です。
ライブ配信ならではのリアルタイムによる視聴者とのやり取りで、瞬間的な熱量を生み出すことが可能です。YouTubeライブやTwitch、インスタライブなどが多く、これらのSNSと相性が良い業種がとくにおすすめです。
おすすめ度 | ★★★★ |
相性の良い業種 | 動画で魅力が伝わりやすいもの、体験やレビュー中の変化がわかりやすいもの、期間限定商材など |
メリット | リアルタイムならではの熱量で態度変容を促しやすい。 |
デメリット | ライブのため、事前に打ち合わせた紹介内容に漏れや間違いなどがあった場合、その場での修正が難しい。 |
◆ライブ配信の参考例
・YouTube配信者と、ゲーム大会視聴やアニメの同時視聴
・子育てInstgrammerと、知育おもちゃの体験ライブ配信
ギフティング
ギフティングとは、インフルエンサーに商品をギフトとして送ります。SNSへの投稿はインフルエンサーの任意となります。投稿された際には、インフルエンサー自身の言葉で熱量が高い投稿が生まれます。実物があればどんな商品でもギフティングが可能ですが、特に写真映えや動画映えするような商品がおすすめとなります。
ただし、Instagramでギフティングを行う場合、ストーリーズに投稿されてしまうケースも多くあります。その場合24時間で投稿が消えてしまうので、計測環境は整えておく必要があります。
おすすめ度 | ★★★ |
相性の良い業種 | 美容コスメやファッション、生活雑貨など、写真映えや動画映えするもの |
メリット | 他施策に比べて安価に実施でき、タイアップでは予算的に起用が難しいインフルエンサーにも投稿してもらえるチャンスが生まれる。 |
デメリット | 投稿自体が任意でコントロールが難しいため、ある程度の商品力が必要。 |
◆ギフティングの参考例
・ファッション系YouTuberに、セール前ファッション小物を配布
・コスメ系Instagrammerに、新作コスメのギフティング配布
ゲスト出演
公式チャンネルや公式SNSなどで、ゲストとしてインフルエンサーに出演してもらう方法です。イメージキャラクターやアンバサダーとしてインフルエンサーが認知され、ブランドとのつながりを強くアピールできます。
おすすめ度 | ★★★ |
相性の良い業種 | 公式SNS運用やWeb番組を行っている企業 |
メリット | ブランドとインフルエンサーの繋がりが強くなり、インフルエンサーが自然とアピールをしてくれる可能性がある。 |
デメリット | ブランド側もインフルエンサー側も、相互に相性が良い必要性があるため、新規施策としては難易度が高め。 |
◆ゲスト出演の参考例
・自社のゲームガジェットを利用しているYouTuberが公式チャンネル出演
・調理器具の新作紹介で料理系TikTokerを招いて料理イベントを開催
イベント招待
プレスイベントに招待したり、商品開発のためのグループワークなど、インフルエンサーを現地に招待する方法です。インフルエンサーに体験を提供することで、ブランド理解を深めてもらったり、新作やリニューアル商品の認知が狙いになります。
おすすめ度
|
★★★★ |
相性の良い業種 | SNS相性が良い業種であれば何でも◎ ただし公式側の求心力は必要 |
メリット | インフルエンサーに特別感を味わってもらうことができ、ブランドへの深い理解や新作への期待感などを醸成できる。 |
デメリット | 投稿自体の確約が難しい場合がある。またイベント開催のために必要な費用は別途必要。 |
◆イベント招待の参考例
・新作美容コスメ発表イベントに、コスメ系インフルエンサーを招待
・新作カメラ発売にあわせてVlog系YouTuberやInstagrammerを招待
インフルエンサーマーケティングが認知され始めた当初は、タイアップ投稿が基本的でしたが、最近ではさまざまな方法が登場しています。インフルエンサーを活用し、どのような効果を期待するのかによって、施策方法を検討すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。多くのブランドがさまざまなプラットフォームを駆使してインフルエンサーマーケティングに取り組むようになった今、戦略的に目標を達成するためには、まずは専門家のサポートを受けることをおすすめいたします。
THECOOでは、インフルエンサーマーケティングの代理店として、様々な業界企業様の支援を行っています。ご相談のみでも可能ですので、お気軽にご連絡ください。