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SNSで活躍するインフルエンサーの影響力は年々増しており、特にインフルエンサーのPR投稿を見たことのある10〜30代の間では、半数以上がインフルエンサーの投稿を見て商品・サービスを購入した経験があることが明らかになっています。

既存のデジタル広告の成果が頭打ちで新たなコンバージョン手法を試したい、認知や商材理解を深めるためのプロモーションを強化していきたい、とお悩みの企業にとって、新たな施策の1つとしてインフルエンサーを起用した広告施策が効果を発揮することがあります。

この記事では、そんなインフルエンサーを用いた広告手法について解説していきます。

インフルエンサーを起用した広告とは

インフルエンサーを起用した広告は、実際の手法として大きく2つに分かれます。一般的に広告としてイメージする、通常の広告にインフルエンサーを起用するのか、インフルエンサーとタイアップし、SNS上で商品・サービスの紹介を投稿してもらうかです。

広告にインフルエンサーを起用

いわゆる通常のテレビCMやデジタル広告、サイネージ広告などにインフルエンサーを起用することがあります。タレントではなくインフルエンサーを起用することでSNSでの流行感を演出し、特に若者向けに興味喚起を行います。

広告手法としてのインフルエンサーマーケティング

広義の意味での広告として、企業とインフルエンサーがタイアップし、インフルエンサーのSNSアカウントなどで商品やサービスを紹介する投稿を行います。インフルエンサーが抱えるファンベースに対して深く訴求し、認知獲得や大きな態度変容を促します。

インフルエンサー投稿の広告利用

近年は、上記の2つの施策を組み合わせた広告施策、まずはインフルエンサーのタイアップ投稿を行い、その後に投稿素材を用いた広告配信を行う例が増えてきています。

組み合わせ施策が増えている理由は、純粋なインフルエンサーの投稿は、どれだけ投稿内容が魅力的でもSNSユーザーへのリーチはファンを中心にしたものに限られてしまうからです。そこで、投稿を二次利用という形で広告に転用するか、SNSの機能にある第三者配信(広告主が料金を支払い、インフルエンサーの投稿を広告配信する)を行うことで、通常の投稿のスタイルでSNS広告を運用したり、その他の広告素材に転用することができます。

インフルエンサーを広告に活用するメリット

上記で紹介したようにインフルエンサーを広告に活用する方法はいくつかありますが、通常のタレントを起用した広告や運用型広告とは異なる、インフルエンサーの起用ならではのメリットがあります。

ファンの熱量・共感力を活かせる

最も大きなメリットの1つとして、インフルエンサーに対するファンの熱量や共感力の高さを活かせる点です。芸能人やタレントとは異なり、SNSを主戦場として活躍するインフルエンサーはファンと双方向でコミュニケーションを取ることができるため、インフルエンサーからの発信に対して大きな反応を得られます。

ブランドとのタイアップ投稿の際にも、インフルエンサーの活躍を喜ぶ声や、インフルエンサーと同じものを使いたいという思いから、直接的な行動を取ることがよく見られます。その結果、ファンが実際の利用をコメントに残したり、UGCとして発信したりと、ファン同士のつながりによって投稿の影響がさらに広がっていきます。

リッチなコンテンツで訴求できる

インフルエンサーのタイアップ投稿では、通常のテレビCMや動画広告では難しい、長時間の動画視聴習慣をベースにした長尺動画での商品・サービスの訴求が可能です。例えばYouTubeであれば10分以上の動画の視聴習慣があり、近年流行している縦型動画でも60秒以上の動画を視聴されることも多いです。

出典:GWI

広告ではどうしてもインパクト重視の訴求になってしまいますが、インフルエンサー投稿であれば、商品・サービスのレビューや実際の体験型の投稿など、さまざまなスタイルで態度変容を促すコンテンツを制作することができます。

SNSならではの拡散力を活かせる

テレビCMではオーディエンスのリーチ力が高く、デジタル広告ではオーディエンスのターゲティングが精緻に行えるなど、それぞれのメリットがあります。一方で、SNSを主戦とするインフルエンサーの投稿では、SNSならではの拡散力により、大きな話題を生み出せる場合があります。

また、運用型広告とは異なり、出稿金額を消化したら露出が止まるわけではなく、時間が経っても投稿を閲覧・視聴でき、ロングテールでのリーチや成果を生み出します。

インフルエンサー広告の費用

インフルエンサー広告にはいくつかの費用がかかりますが、大きく分けると「キャスティング+投稿費用」と「媒体費用」に分かれます。インフルエンサーのタイアップ投稿では前者のみがかかる形になりますが、おおむねどのくらいの費用を計算するとよいのでしょうか。

インフルエンサータイアップ投稿の費用

インフルエンサータイアップ投稿については、一般的には「フォロワーの数」や「直近の投稿の平均再生回数」など、客観的に取得可能なデータから費用が算出されることが多いです。ただ、この計算方法はあくまで一般的な傾向で、近年は事務所に所属するインフルエンサーが多くを占めるようになっているため、基本的には都度事務所への確認が必要です。

参考までに目安としての費用感は以下です。

YouTube直近投稿の平均再生回数×13〜15円Instagramフォロワー数×3〜5円TikTokフォロワー数×3〜5円

近年は芸能人のSNSでの活躍が増えていますが、芸能人にタイアップを依頼する場合はこれらの相場より高く設定されていることが多く、起用を検討する際は広告代理店や所属事務所に確認しましょう。

インフルエンサー広告の媒体費用

インフルエンサーを広告に起用した場合の媒体費用はあくまで通常の広告と同じ扱いのため、上記のインフルエンサーのタイアップ費用に加えて、各媒体の費用やデジタル広告であれば入札単価が追加で発生します。ただ、特にSNS広告の場合、媒体によっては特別なパッケージが用意されていることもあるため、広告出稿を検討する際には事前に代理店に確認してみるのもよいでしょう。

インフルエンサー広告の効果測定

インフルエンサー広告の効果測定は通常の広告施策と比較しても難しいです。基本的には少額からはじめることが多いため、全体のパフォーマンスには大きなインパクトを与えづらいこと、また、SNSの特性上、タイアップ投稿ではリンクからの直接の遷移が難しいことがその要因として挙げられます。

THECOOの調査でも、インフルエンサーの投稿を見て商品・サービスの購入経験がある人の中で、「投稿を見てすぐ」購入した人に比べると「2〜3日後」や「1週間程度後」に購入した人の割合が多いことが明らかになっています。

出典:THECOO

そのため、「売上指標」で効果測定を行うよりも、現実的には先行指標としての「投稿指標」で効果測定することが一般的になっています。

リーチに関わる投稿指標

リーチ数:投稿を見たユーザー数

インプレッション数:投稿が表示された回数(1ユーザーが複数カウントされる)

再生回数:YouTubeの場合

エンゲージメントに関わるもの

いいね数・ライク数

コメント数

保存数:Instagramでフィード・リール投稿が保存された数

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効果測定に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

どう証明する?インフルエンサーマーケティングの売上への効果

インフルエンサーへの依頼方法

一括りにインフルエンサーと言ってもさまざまな方が活躍しています。活動の中心となるSNSはインフルエンサーによってYouTubeやInstagram、TikTokと異なり、ファンの規模や事務所への所属有無などさまざまです。このように、さまざまなスタイルのインフルエンサーの中から最適な方を見つけ出し、依頼する方法を紹介します。

インフルエンサーへ直接依頼

1つめの方法は、インフルエンサーへの直接依頼です。多くの場合、インフルエンサーは依頼用の連絡先を公開しており、SNSでのメッセージやメールでの連絡を行います。インフルエンサーが事務所に所属している場合は、事務所の担当者が確認します。

依頼したいインフルエンサーが定まっている場合にはこちらの方法が最も直接的で、中間コストもかからない方法と言えます。依頼したいインフルエンサーが定まっていない場合には、次の方法で試すか、インフルエンサーを検索できるツールがいくつかの企業から提供されていますので、それを使って絞り込むことをおすすめします。

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THECOOではインフルエンサーの検索やリストアップができるiCON Suiteを提供しています。

iCON Suite

インフルエンサー広告代理店へ依頼

2つめの方法は、インフルエンサーのキャスティングを行う広告代理店への依頼です。複数名起用したい場合や、候補者の選定から依頼したい場合には、ブランドの理解やインフルエンサーとのコネクションを活かせる代理店に依頼することをおすすめします。

中間コストはかかりますが、これまでの知見に基づくパフォーマンスの最大化やディレクション工数の低減など、さまざまなメリットがあります。

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インフルエンサーマーケティングのご相談はTHECOOにお気軽にお問い合わせください。

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マッチングプラットフォームの利用

3つめの方法は、オンライン上のマッチングプラットフォームを利用してインフルエンサーを募集するものです。マッチングプラットフォームを使用すれば、モチベーションの高いインフルエンサーが自ら応募してくるため、キャスティングの工数が少なく済みます。

一方で、フォロワー数が比較的少ないマイクロインフルエンサーが中心になるため、流行感の演出など、目的によっては相性を考える必要があります。

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詳しい依頼方法については以下の記事でも紹介しています。

インフルエンサーに案件を依頼する方法と、おすすめ企画案5選

インフルエンサー広告の成果を高めるポイント

インフルエンサーを起用した広告の成果を高めるために意識したいポイントがいくつかあります。多くの場合、インフルエンサーは一般人なので必ずしも商品・サービスの紹介に慣れているわけではないこと、また、通常のデジタル広告施策と比べると購買意向の薄い消費者に向けた訴求になってしまうため、しっかりと事前準備が必要になることを前提としましょう。

インフルエンサーの商品・サービス理解を深める

なにより投稿内容の成果を左右するのは、インフルエンサーが商品・サービスをよく理解し、投稿内で魅力的に伝えられるかどうかです。そのためには、事前にブランドや商品・サービスについての魅力を文書にまとめたり、打ち合わせで担当者から時間をかけて説明したりしながら、投稿内で伝えてほしい項目を漏れなく伝えることが欠かせません。

また、商品・サービスに対してのイメージをすでに持っていることも考えられます。あくまで一般人であることを理解し、あまり訴求内容を詰め込まず、事前にすり合わせを行いながら進めることを意識しましょう。

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インフルエンサーマーケティング施策実施前の整理に役立つテンプレートをダウンロードいただけます。

インフルエンサーマーケティングの失敗を防ぐ 施策整理テンプレート

リーチからコンバージョンまでの導線を設計する

通常のデジタル広告であれば、ニーズが顕在化している消費者に最後の一押しをすることでコンバージョンにつながるかもしれません。一方で、インフルエンサー広告は認知獲得から態度変容、コンバージョンに至るまでさまざまな用途で活用することのできる施策です。そのため、どのような情報に触れてコンバージョンに至るのか、施策の目的とその後のジャーニーをあわせて設計しておくようにしましょう。

また、SNSの特性として、投稿内にリンクが貼れなかったり、折りたたまれたテキスト欄にのみリンクが表示されていることが多いです。そのため、コンテンツを通じた態度変容と、能動的な検索や行動を促すことを忘れないようにしましょう。

施策を継続し改善サイクルをまわす

特にタイアップ投稿では既存の広告とは全く違ったアプローチが必要です。特にターゲティングはインフルエンサーのファン層に依存するため、完全に狙い通りになることは少ないです。そのため、一度の施策で評価するのではなく、どんなインフルエンサーがブランドや商品・サービスと相性がよいかを理解することが欠かせません。

何度か施策を継続しながら、トータルで望ましい成果が得られていることを意識しましょう。

インフルエンサー広告の事例

最後に、インフルエンサーマーケティングが活発に行われている海外の取り組みを中心に、いくつかインフルエンサー施策事例を紹介します。

食料品の事例

M&M’sは、父の日のプレゼントとしてM&M’sの売上を増やすことを目的にインフルエンサーへ商品をギフティングすることで、トータルで110ものインフルエンサー投稿が生まれました。その結果、父の日のD2C売上が457%増加しました。

参考:KYNSHIP

ゲームの事例

Konamiは、新規でリリースするゲームのユーザー獲得と、購入数の増加を目指すために、YouTubeとTwitchでのインフルエンサーマーケティングを実施しました。あわせて、ブランドイメージ向上のための広告を配信しました。その結果、特設ランディングページへの流入の31%を占めるトラフィックを生み出し、YouTubeでは4.04%、Twitchでは25.98%もの高いCTRを残しました。

参考:FAMESTERS

コスメ・美容商材の事例

Shiseidoはコスメ・美容商材におけるインフルエンサーマーケティングが活発化していることを受け、さらなるシェア拡大を目指してインフルエンサー施策の強化を行いました。動画コンテンツの増加、オフラインの体験型イベントへのインフルエンサーの誘致、インターネットセレブリティのキャスティングの強化を通じて、前年比で36%のリーチ増加、40%のエンゲージメント増加を実現しました。

参考:Traackr

インフルエンサーを起用した広告のまとめ

インフルエンサーを起用した広告として、既存の広告へのインフルエンサーのキャスティングや、一般的なインフルエンサーマーケティングとして知られるインフルエンサーとのタイアップ投稿など、いくつかの手法が挙げられます。

SNSを使う消費者がますます増える中、商材に適したインフルエンサーを起用すること、ポイントを押さえながら進めることで、業界や商材を問わず大きな成果を出すことにつながるでしょう。

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インフルエンサーを起用した広告手法と、知っておきたいメリット・費用感・事例
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インフルエンサーを起用した広告手法と、知っておきたいメリット・費用感・事例

INDEX

SNSで活躍するインフルエンサーの影響力は年々増しており、特にインフルエンサーのPR投稿を見たことのある10〜30代の間では、半数以上がインフルエンサーの投稿を見て商品・サービスを購入した経験があることが明らかになっています。

既存のデジタル広告の成果が頭打ちで新たなコンバージョン手法を試したい、認知や商材理解を深めるためのプロモーションを強化していきたい、とお悩みの企業にとって、新たな施策の1つとしてインフルエンサーを起用した広告施策が効果を発揮することがあります。

この記事では、そんなインフルエンサーを用いた広告手法について解説していきます。

インフルエンサーを起用した広告とは

インフルエンサーを起用した広告は、実際の手法として大きく2つに分かれます。一般的に広告としてイメージする、通常の広告にインフルエンサーを起用するのか、インフルエンサーとタイアップし、SNS上で商品・サービスの紹介を投稿してもらうかです。

広告にインフルエンサーを起用

いわゆる通常のテレビCMやデジタル広告、サイネージ広告などにインフルエンサーを起用することがあります。タレントではなくインフルエンサーを起用することでSNSでの流行感を演出し、特に若者向けに興味喚起を行います。

広告手法としてのインフルエンサーマーケティング

広義の意味での広告として、企業とインフルエンサーがタイアップし、インフルエンサーのSNSアカウントなどで商品やサービスを紹介する投稿を行います。インフルエンサーが抱えるファンベースに対して深く訴求し、認知獲得や大きな態度変容を促します。

インフルエンサー投稿の広告利用

近年は、上記の2つの施策を組み合わせた広告施策、まずはインフルエンサーのタイアップ投稿を行い、その後に投稿素材を用いた広告配信を行う例が増えてきています。

組み合わせ施策が増えている理由は、純粋なインフルエンサーの投稿は、どれだけ投稿内容が魅力的でもSNSユーザーへのリーチはファンを中心にしたものに限られてしまうからです。そこで、投稿を二次利用という形で広告に転用するか、SNSの機能にある第三者配信(広告主が料金を支払い、インフルエンサーの投稿を広告配信する)を行うことで、通常の投稿のスタイルでSNS広告を運用したり、その他の広告素材に転用することができます。

インフルエンサーを広告に活用するメリット

上記で紹介したようにインフルエンサーを広告に活用する方法はいくつかありますが、通常のタレントを起用した広告や運用型広告とは異なる、インフルエンサーの起用ならではのメリットがあります。

ファンの熱量・共感力を活かせる

最も大きなメリットの1つとして、インフルエンサーに対するファンの熱量や共感力の高さを活かせる点です。芸能人やタレントとは異なり、SNSを主戦場として活躍するインフルエンサーはファンと双方向でコミュニケーションを取ることができるため、インフルエンサーからの発信に対して大きな反応を得られます。

ブランドとのタイアップ投稿の際にも、インフルエンサーの活躍を喜ぶ声や、インフルエンサーと同じものを使いたいという思いから、直接的な行動を取ることがよく見られます。その結果、ファンが実際の利用をコメントに残したり、UGCとして発信したりと、ファン同士のつながりによって投稿の影響がさらに広がっていきます。

リッチなコンテンツで訴求できる

インフルエンサーのタイアップ投稿では、通常のテレビCMや動画広告では難しい、長時間の動画視聴習慣をベースにした長尺動画での商品・サービスの訴求が可能です。例えばYouTubeであれば10分以上の動画の視聴習慣があり、近年流行している縦型動画でも60秒以上の動画を視聴されることも多いです。

出典:GWI

広告ではどうしてもインパクト重視の訴求になってしまいますが、インフルエンサー投稿であれば、商品・サービスのレビューや実際の体験型の投稿など、さまざまなスタイルで態度変容を促すコンテンツを制作することができます。

SNSならではの拡散力を活かせる

テレビCMではオーディエンスのリーチ力が高く、デジタル広告ではオーディエンスのターゲティングが精緻に行えるなど、それぞれのメリットがあります。一方で、SNSを主戦とするインフルエンサーの投稿では、SNSならではの拡散力により、大きな話題を生み出せる場合があります。

また、運用型広告とは異なり、出稿金額を消化したら露出が止まるわけではなく、時間が経っても投稿を閲覧・視聴でき、ロングテールでのリーチや成果を生み出します。

インフルエンサー広告の費用

インフルエンサー広告にはいくつかの費用がかかりますが、大きく分けると「キャスティング+投稿費用」と「媒体費用」に分かれます。インフルエンサーのタイアップ投稿では前者のみがかかる形になりますが、おおむねどのくらいの費用を計算するとよいのでしょうか。

インフルエンサータイアップ投稿の費用

インフルエンサータイアップ投稿については、一般的には「フォロワーの数」や「直近の投稿の平均再生回数」など、客観的に取得可能なデータから費用が算出されることが多いです。ただ、この計算方法はあくまで一般的な傾向で、近年は事務所に所属するインフルエンサーが多くを占めるようになっているため、基本的には都度事務所への確認が必要です。

参考までに目安としての費用感は以下です。

YouTube直近投稿の平均再生回数×13〜15円Instagramフォロワー数×3〜5円TikTokフォロワー数×3〜5円

近年は芸能人のSNSでの活躍が増えていますが、芸能人にタイアップを依頼する場合はこれらの相場より高く設定されていることが多く、起用を検討する際は広告代理店や所属事務所に確認しましょう。

インフルエンサー広告の媒体費用

インフルエンサーを広告に起用した場合の媒体費用はあくまで通常の広告と同じ扱いのため、上記のインフルエンサーのタイアップ費用に加えて、各媒体の費用やデジタル広告であれば入札単価が追加で発生します。ただ、特にSNS広告の場合、媒体によっては特別なパッケージが用意されていることもあるため、広告出稿を検討する際には事前に代理店に確認してみるのもよいでしょう。

インフルエンサー広告の効果測定

インフルエンサー広告の効果測定は通常の広告施策と比較しても難しいです。基本的には少額からはじめることが多いため、全体のパフォーマンスには大きなインパクトを与えづらいこと、また、SNSの特性上、タイアップ投稿ではリンクからの直接の遷移が難しいことがその要因として挙げられます。

THECOOの調査でも、インフルエンサーの投稿を見て商品・サービスの購入経験がある人の中で、「投稿を見てすぐ」購入した人に比べると「2〜3日後」や「1週間程度後」に購入した人の割合が多いことが明らかになっています。

出典:THECOO

そのため、「売上指標」で効果測定を行うよりも、現実的には先行指標としての「投稿指標」で効果測定することが一般的になっています。

リーチに関わる投稿指標

リーチ数:投稿を見たユーザー数

インプレッション数:投稿が表示された回数(1ユーザーが複数カウントされる)

再生回数:YouTubeの場合

エンゲージメントに関わるもの

いいね数・ライク数

コメント数

保存数:Instagramでフィード・リール投稿が保存された数

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効果測定に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

どう証明する?インフルエンサーマーケティングの売上への効果

インフルエンサーへの依頼方法

一括りにインフルエンサーと言ってもさまざまな方が活躍しています。活動の中心となるSNSはインフルエンサーによってYouTubeやInstagram、TikTokと異なり、ファンの規模や事務所への所属有無などさまざまです。このように、さまざまなスタイルのインフルエンサーの中から最適な方を見つけ出し、依頼する方法を紹介します。

インフルエンサーへ直接依頼

1つめの方法は、インフルエンサーへの直接依頼です。多くの場合、インフルエンサーは依頼用の連絡先を公開しており、SNSでのメッセージやメールでの連絡を行います。インフルエンサーが事務所に所属している場合は、事務所の担当者が確認します。

依頼したいインフルエンサーが定まっている場合にはこちらの方法が最も直接的で、中間コストもかからない方法と言えます。依頼したいインフルエンサーが定まっていない場合には、次の方法で試すか、インフルエンサーを検索できるツールがいくつかの企業から提供されていますので、それを使って絞り込むことをおすすめします。

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THECOOではインフルエンサーの検索やリストアップができるiCON Suiteを提供しています。

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インフルエンサー広告代理店へ依頼

2つめの方法は、インフルエンサーのキャスティングを行う広告代理店への依頼です。複数名起用したい場合や、候補者の選定から依頼したい場合には、ブランドの理解やインフルエンサーとのコネクションを活かせる代理店に依頼することをおすすめします。

中間コストはかかりますが、これまでの知見に基づくパフォーマンスの最大化やディレクション工数の低減など、さまざまなメリットがあります。

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マッチングプラットフォームの利用

3つめの方法は、オンライン上のマッチングプラットフォームを利用してインフルエンサーを募集するものです。マッチングプラットフォームを使用すれば、モチベーションの高いインフルエンサーが自ら応募してくるため、キャスティングの工数が少なく済みます。

一方で、フォロワー数が比較的少ないマイクロインフルエンサーが中心になるため、流行感の演出など、目的によっては相性を考える必要があります。

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詳しい依頼方法については以下の記事でも紹介しています。

インフルエンサーに案件を依頼する方法と、おすすめ企画案5選

インフルエンサー広告の成果を高めるポイント

インフルエンサーを起用した広告の成果を高めるために意識したいポイントがいくつかあります。多くの場合、インフルエンサーは一般人なので必ずしも商品・サービスの紹介に慣れているわけではないこと、また、通常のデジタル広告施策と比べると購買意向の薄い消費者に向けた訴求になってしまうため、しっかりと事前準備が必要になることを前提としましょう。

インフルエンサーの商品・サービス理解を深める

なにより投稿内容の成果を左右するのは、インフルエンサーが商品・サービスをよく理解し、投稿内で魅力的に伝えられるかどうかです。そのためには、事前にブランドや商品・サービスについての魅力を文書にまとめたり、打ち合わせで担当者から時間をかけて説明したりしながら、投稿内で伝えてほしい項目を漏れなく伝えることが欠かせません。

また、商品・サービスに対してのイメージをすでに持っていることも考えられます。あくまで一般人であることを理解し、あまり訴求内容を詰め込まず、事前にすり合わせを行いながら進めることを意識しましょう。

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リーチからコンバージョンまでの導線を設計する

通常のデジタル広告であれば、ニーズが顕在化している消費者に最後の一押しをすることでコンバージョンにつながるかもしれません。一方で、インフルエンサー広告は認知獲得から態度変容、コンバージョンに至るまでさまざまな用途で活用することのできる施策です。そのため、どのような情報に触れてコンバージョンに至るのか、施策の目的とその後のジャーニーをあわせて設計しておくようにしましょう。

また、SNSの特性として、投稿内にリンクが貼れなかったり、折りたたまれたテキスト欄にのみリンクが表示されていることが多いです。そのため、コンテンツを通じた態度変容と、能動的な検索や行動を促すことを忘れないようにしましょう。

施策を継続し改善サイクルをまわす

特にタイアップ投稿では既存の広告とは全く違ったアプローチが必要です。特にターゲティングはインフルエンサーのファン層に依存するため、完全に狙い通りになることは少ないです。そのため、一度の施策で評価するのではなく、どんなインフルエンサーがブランドや商品・サービスと相性がよいかを理解することが欠かせません。

何度か施策を継続しながら、トータルで望ましい成果が得られていることを意識しましょう。

インフルエンサー広告の事例

最後に、インフルエンサーマーケティングが活発に行われている海外の取り組みを中心に、いくつかインフルエンサー施策事例を紹介します。

食料品の事例

M&M’sは、父の日のプレゼントとしてM&M’sの売上を増やすことを目的にインフルエンサーへ商品をギフティングすることで、トータルで110ものインフルエンサー投稿が生まれました。その結果、父の日のD2C売上が457%増加しました。

参考:KYNSHIP

ゲームの事例

Konamiは、新規でリリースするゲームのユーザー獲得と、購入数の増加を目指すために、YouTubeとTwitchでのインフルエンサーマーケティングを実施しました。あわせて、ブランドイメージ向上のための広告を配信しました。その結果、特設ランディングページへの流入の31%を占めるトラフィックを生み出し、YouTubeでは4.04%、Twitchでは25.98%もの高いCTRを残しました。

参考:FAMESTERS

コスメ・美容商材の事例

Shiseidoはコスメ・美容商材におけるインフルエンサーマーケティングが活発化していることを受け、さらなるシェア拡大を目指してインフルエンサー施策の強化を行いました。動画コンテンツの増加、オフラインの体験型イベントへのインフルエンサーの誘致、インターネットセレブリティのキャスティングの強化を通じて、前年比で36%のリーチ増加、40%のエンゲージメント増加を実現しました。

参考:Traackr

インフルエンサーを起用した広告のまとめ

インフルエンサーを起用した広告として、既存の広告へのインフルエンサーのキャスティングや、一般的なインフルエンサーマーケティングとして知られるインフルエンサーとのタイアップ投稿など、いくつかの手法が挙げられます。

SNSを使う消費者がますます増える中、商材に適したインフルエンサーを起用すること、ポイントを押さえながら進めることで、業界や商材を問わず大きな成果を出すことにつながるでしょう。

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