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Instagramのブランドコンテンツとは?インフルエンサーマーケティングで知っておきたいルールやパートナーシップ広告について解説
INDEX
インターネット利用者の約半数がInstagramを利用していると言われ、最も人気のあるSNSの1つとなっています。企業のプロモーションにも広く利用され、とりわけ消費者に影響を与える「インフルエンサー」とのコラボレーションが活発に行われています。
企業とインフルエンサーのコラボレーションでは、両者の関係性を明示せずにプロモーションを行うことで、ステマや炎上などのリスクがあります。そこで、Instagramは「ブランドコンテンツ」の設定を通じ、インフルエンサーが企業から対価を得て投稿する際のルールを整備しています。
今後、国内でも法規制などの強化によって厳格なルールに則ったプロモーションが求められます。この記事では、インフルエンサーマーケティングに取り組む企業に向け、Instagramのブランドコンテンツについて解説します。また、インフルエンサーによるブランドコンテンツを広告に利用し、Instagramでのプロモーションをさらに強化するための情報を紹介します。
Instagramのブランドコンテンツとは
Metaではブランドコンテンツについて以下のように定義されています。
ブランドコンテンツを、クリエイターやパブリッシャーが金銭の支払いや無料ギフトなどの対価を受けて直接的、間接的にビジネスパートナーを取り上げたコンテンツと定義しています。
また、ブランドコンテンツの表記が必要となる場合については、以下のように記載されています。
クリエイターまたはパブリッシャーとビジネスパートナーとの間で何らかの価値交換があった場合にブランドコンテンツでビジネスパートナーをタグ付けすることを、アカウントの種類(プロアカウント、個人用)を問わずすべての人に義務付けています。
ブランドコンテンツは投稿の際に設定が必要で、投稿にはアカウント名の下に「〇〇(企業アカウント名)とのタイアップ」と表記された「タイアップ投稿ラベル」が追加されます。この機能は2019年6月に提供が開始され、近年はインフルエンサーによる投稿でタイアップ表記を目にすることが増えてきました。
インフルエンサーのタイアップ投稿に利用
以前から企業とインフルエンサーのタイアップ投稿は行われていましたが、投稿がインフルエンサーの自発的な投稿なのか、企業から対価を受け取っての投稿なのかを明確に判別することはできませんでした。業界団体のルールでは「#PR」など、企業とのタイアップを明記するためのハッシュタグ表記を使用してきましたが、公式に明示するための機能が提供されたことになります。
ブランドコンテンツの表記により、企業とインフルエンサーの関係性を明確にします。設定方法は後述しますが、双方のアカウントで事前に承認する作業が必要となるため、企業とインフルエンサーの間での協業関係が明確になります。
ブランドコンテンツの設定が必要となるシナリオ
Metaでは、ブランドコンテンツの設定が必要になるシナリオが2つ紹介されています。
- ブランドまたはビジネスから対価を受け取ってブランドやビジネスまたはその製品を取り上げたり、これらに言及したりするコンテンツを投稿する
- ブランドやビジネスからギフトの贈呈または製品やサービスの無償提供を受け、それらを取り上げたり言及したりしたコンテンツを投稿する
つまり、金銭を対価として受け取るタイアップ投稿だけでなく、いわゆるギフティングによって商品・サービスを無償で受け、投稿を行った際にもブランドコンテンツの設定が必要となります。
一方で、公式アカウントやインフルエンサーブランドなど、「自分自身の製品を宣伝するコンテンツを投稿する」場合にはブランドコンテンツの設定は必要ないと記載されています。
「#PR」表記だけではだめか?
インフルエンサーのタイアップ投稿では通例として「#PR」のハッシュタグ表記で関係性を明示しています。ハッシュタグ表記によるタイアップ投稿は許可されないのでしょうか。
2023年10月に改正となる景品表示法や、口コミマーケティングに関するルールを作成しているWOMマーケティング協議会の新たなガイドラインでは、ブランドコンテンツの利用必須化は明記されていません。そのため、法的にはブランドコンテンツの設定が必須であるわけではありません。
また、Instagramの機能的にも全てのアカウントでブランドコンテンツを使えるわけではありません。具体的には、企業アカウントを作成したばかりであったり、活動が少なかったりする場合には、ブランドコンテンツが利用できないことがあります。さらに、フォロワーの少ないインフルエンサーもブランドアカウントツールが開放されていないこともあり、全ての場合にブランドコンテンツを利用することが難しいのが現状です。
このように、現状はブランドコンテンツの設定が必須ではありませんが、Instagramの今後の対応によっては設定が必須となる可能性もあるため、企業側、インフルエンサー側の双方が使用方法を理解しておくことはとても重要です。
ブランドコンテンツ表記のメリット
このように、ブランドコンテンツの設定が、今後強化されるインフルエンサーのステマ対策に役立つことは間違いありませんが、一方でタイアップと表記されることでインフルエンサーの投稿に宣伝色がついてしまうことも事実です。ルールとしての対応だけではない、企業にとってのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
インフルエンサーの投稿インサイト確認
最も大きなメリットは、本来アカウント管理者やAPI連携を許可していないと確認できない投稿インサイトを確認することができることです。ブランドコンテンツとして設定されたインフルエンサーの投稿のパフォーマンスを一覧化して確認できることで、誰の投稿が高いエンゲージメントを得たかが把握できます。
投稿インサイトで確認できる情報は以下になります。
- リーチ数
- エンゲージメント数
ストーリーの投稿インサイトは、以下の情報が投稿後14日間のみ表示されます。
- リーチ数
- 次のストーリーに進んだタップ数
- 前のストーリーに戻ったタップ数
- 返信数
- ストーリーの終了数
投稿インサイトは、公式アカウントのMetaビジネスマネージャー、またはInstagram収益化ツールのアナリティクス画面から確認することができます。
企業のInstagramアカウントへの誘導
ブランドコンテンツのもう1つのメリットは、タイアップ投稿ラベルを通じて公式アカウントへの誘導が図れる点です。通常の投稿ではスペースの関係上、テキスト欄を表示させることでアカウントへのメンションを見ることになりますが、タイムラインにアカウント名が表示されていることで、商品やサービスに興味を持ったユーザーが公式アカウントを見に来てくれる可能性が高まります。
ブランドコンテンツの設定方法
投稿をブランドコンテンツとして設定するためには、企業側、インフルエンサー側の双方が事前にいくつかの準備をしておく必要があります。不慣れなインフルエンサーにとっては負担に感じることもあるため、なるべく広告主側が準備の手順を理解し、スムーズに案内できることが望ましいでしょう。
インフルエンサー側:クリエイターアカウントへの切り替え
Instagramでは、分析機能や広告配信機能が開放される「プロアカウント」への切り替えができます。多くのインフルエンサーはすでにプロアカウントに切り替えていますが、通常アカウントのまま運用している場合には切り替えを依頼しましょう。
プロアカウントへの切り替えは、スマホ版アプリで以下の流れで行います。
[設定とプライバシー] > [アカウントの種類とツール] > [プロアカウントに切り替える]
プロアカウント設定の際に「ビジネスに最もよく当てはまるカテゴリ」の選択が求められます。こちらを「クリエイター」に選択してもらいましょう。
広告主側:ビジネスアカウントへの切り替え
企業アカウントも同様に「プロアカウント」への切り替えを行います。プロアカウント設定の際「ビジネスに最もよく当てはまるカテゴリ」は「ビジネス」を選択しましょう。
ビジネスパートナーの承認
双方がプロアカウントに切り替えできれば、次は広告主がインフルエンサーを「ビジネスパートナー」として承認します。
インフルエンサー側の手順
- アカウント画面から「設定とプライバシー」をタップする
- 「クリエイターとツールとコントロール」を選択する
- 「ブランドコンテンツ」を選択する
- 「ステータス」をタップして有効にする
- 「ブランドパートナーに承認をリクエスト」をタップする
- 広告主を検索する
- 「リクエスト」をタップし送信する
広告主側
- Instagramアカウントの画面から「設定とプライバシー」を選択する
- 「ビジネスツールと管理」をタップする
- 「ブランドコンテンツ」をタップする
- 「コンテンツクリエイターを承認」を選択する
- 受け取ったリクエストの中から該当するものを「承認」する
広告主が承認をリクエストし、インフルエンサーが承認する
広告主からインフルエンサーに対してビジネスパートナーの承認をリクエストする方法もあります。この場合、上記の手順が逆になり、広告主側からインフルエンサーに対して、ブランドパートナーへの承認のリクエストを送る形で進めていきます。
経験則ではありますがうまく進まないことが多いため、上記の手順でインフルエンサー側からリクエストすることをおすすめします。
ブランドコンテンツの設定
ここまでの準備が完了していれば、新規投稿を行う際に、投稿画面にてタイアップ投稿ラベルを追加し、実際の投稿に進みます。
- 新規投稿の詳細設定をタップする
- 「タイアップ投稿ラベルを追加」をオンにする
- 「ブランドパートナーを追加」をタップする
- タイアップするブランドパートナーを追加する
- 「ブランドパートナーによる宣伝を許可」をオンにする(必須ではない)
- 設定が完了すれば、投稿をシェアする
パートナーシップ広告(旧:ブランドコンテンツ広告)による広告配信
ここまではインフルエンサーとのタイアップにおけるブランドコンテンツについて紹介してきました。近年、インフルエンサーとのタイアップにおいては、通常の投稿でのプロモーションに加え、インフルエンサーの投稿を活用して広告を配信する「第三者配信」が広まっています。
Instagramでの第三者配信は「パートナーシップ広告(旧:ブランドコンテンツ広告)」という名称です。Instagramの通常の広告配信と同じように、Metaの広告マネージャーを利用して設定を行い出稿します。
パートナーシップ広告で出稿できる広告フォーマット
Instagramパートナーシップ広告では、「既存の投稿を利用する」か「広告用に新規でクリエイティブをアップロードする」かを選択することができます。通常のブランドコンテンツのパフォーマンスに応じて第三者配信を行う場合には、既存の投稿を利用することが多いですが、広告配信にあたってクリエイティブの修正・加工が必要な場合には、新規でクリエイティブをアップロードしましょう。
Metaのガイドラインでは、広告フォーマットは以下の3種類を選ぶことができます。
フィード広告
フィード広告への出稿は、シングル画像、動画、カルーセル広告がサポートされています。
リール広告
リール広告では、リール投稿のクリエイティブに加えて、フィード広告のクリエイティブをリール広告にも流用することができますが、既存のリール投稿をリール広告に利用する場合にはいくつかの制約があります。
- 2021年10月15日より前に公開された。
- 顔やカメラのエフェクトを使用している。
- Instagramの音楽ライブラリを使用している。広告には、ロイヤルティフリーの音楽やオリジナル音源を使用することをおすすめします。
- 15分を超えている。
- GIFを使用している。
- 商品タグが含まれている。
- タップ可能なスタンプを使用している。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告へは、本来24時間で消えるストーリーズへの投稿のフォーマットのまま広告を配信できます。注意点として、使用できるスタンプに制限があります。
- カウントダウンスタンプ
- ハッシュタグスタンプ
- 位置情報スタンプ
- メンションスタンプ
なお、ストーリーズ広告はリンクスタンプには対応していません。CTAリンクを記載するためには、スタンプではなく広告の設定でCTAリンクを設定しましょう。
パートナーシップ広告を出稿するメリット
インフルエンサーが投稿したブランドコンテンツはSNSでの共感を得やすく、広告配信にも大きなメリットがあります。ここでは主なものを3つ紹介します。
インフルエンサー視点での情報発信
THECOOの調査では、商品やサービスの購入の参考にしたことがある投稿として、「インフルエンサーの投稿」が「広告で流れてきた情報」を大きく上回っています。そのため、なるべくインフルエンサーの投稿に近い形で広告を配信することが高いパフォーマンスにもつながるといえます。
フォロワー外のユーザーへのリーチ
ブランドコンテンツが共感を得て大きな反応をもたらしても、インフルエンサーからの投稿である限り、投稿のリーチはインフルエンサーのフォロワーが中心となり、大きな拡散を意図的に巻き起こすことは難しいです。一方、広告であればInstagramのポテンシャルのあるユーザーを詳細にターゲティングしてリーチすることができ、広告予算に応じて通常のタイアップ投稿だけでは得られない幅広いリーチやリンククリックの成果をもたらすことができます。
広告マネージャーでの詳細な効果測定
通常のインフルエンサーとのタイアップ投稿の効果を高める上でも、幅広いセグメントに対して広告配信を行い、インフルエンサーによる投稿がどのような層から大きな反響を得ているかを確認できれば非常に示唆に富んだインサイトを得られます。タイアップと第三者配信の相乗効果を狙えることもパートナーシップ広告のメリットといえるでしょう。
パートナーシップ広告の出稿方法
パートナーシップ広告は、インフルエンサーの投稿を用いた第三者配信の形式を取るため、インフルエンサーのクリエイティブを利用するための準備が必要です。以下にその手順を紹介します。
まずはクリエイティブを広告に利用するための手順が2つあるので、その方法を紹介します。
1. ブランドコンテンツに設定しておく
1つめの方法は、ブランドコンテンツ投稿を広告に転用する方法です。タイアップ投稿の場合はこの手順で進めるのが一般的ですし、経験則からではありますが、トラブルが起きないように進める点でもおすすめです。
まずは、この記事の前半で紹介した、インフルエンサー投稿のブランドコンテンツの設定を完了しておきましょう。ブランドコンテンツの広告配信を許可するためには、投稿の際に「ブランドパートナーによる宣伝を許可」をオンにしている必要があります。
2. 広告コードの発行(ブランドコンテンツ設定ができない場合)
ブランドコンテンツの設定がうまくいかない場合にも、既存の投稿をパートナーシップ広告に利用する方法があります。インフルエンサー側の投稿画面から「広告コード」を発行します。
インフルエンサー側
- ブランドコンテンツ広告にする投稿をInstagramアプリで選択する
- 投稿の右上の3つのドットを選択する
- 「編集」を選択する
- 投稿の上部で「タイアップ投稿ラベルを追加」をクリックする
- 「パートナーシップ広告コードを生成」の切り替えボタンをオンにする
- コードが生成されるので、コピーして広告主に共有する
参考:Instagram
Meta広告マネージャーで広告配信設定を行う
上記のどちらかの手順が完了すれば、次は広告主が広告配信設定を行います。手順は以下です。途中までは通常の広告配信の手順と同じですが、途中からパートナーシップ広告のための設定が追加で必要になります。
- Meta広告マネージャを開き、「作成」を選択する
- 通常の広告配信と同様の手順で、目的や予算、掲載期間、オーディエンス、配置などを設定する
- 広告の「広告に表示する名前」セクションで「パートナーシップ広告」の切り替えボタンをオンにする
- 「広告」画面の「広告設定」にて「既存の投稿を使用」を選択する
- 「投稿を選択」で「ブランドコンテンツ」タブから該当のブランドコンテンツ投稿を選択する
- (広告コード発行の場合)広告セットの「広告に表示する名前」で「パートナーシップ広告コードを入力」をクリックする
- (広告コード発行の場合)コードを貼り付ける
- 広告ヘッダーに2番目のアカウントとして表示する「パートナーのアイデンティティ」を選択する
参考:Instagram
Instagramのブランドコンテンツについてのまとめ
近年、ブランド企業の間で一般化してきたInstagramでのインフルエンサーマーケティングですが、ステマに関する規制の強化や、Instagramのルールの厳格化に伴い、ブランドコンテンツの正しい設定が重要になってきました。
守りの観点でブランドコンテンツを設定するだけでなく、インフルエンサー投稿の高いエンゲージメント力をフルに活用するための広告の第三者配信、パートナーシップ広告を活用し、Instagramでのプロモーションの成果を高めましょう。
※注:Instagramの仕様は定期的に変更されるため、最新の情報はInstagramのヘルプページを確認ください
デジタルマーケティング支援は
THECOOにご相談ください
THECOOは「デジタル×コンテンツの力でブランドの価値を届ける」ことに重きを置いたデジタルマーケティング代理店で、SNSの消費者行動を中心にしたプロモーション施策の立案から実行までご支援します。インフルエンサーマーケティングやSNSマーケティング、広告運用を通じた集客、顧客獲得にお悩みの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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