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ニーズ顕在層をSNSで購入につなげるには
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多くの世代でSNS利用が当たり前になった今、SNSでの情報発信を通じて商品の購入につなげたいという企業・ブランドの声を多く耳にするようになりました。「TikTok売れ」というキーワードが注目されたように、SNS上で話題を生み出し、顕在化したニーズをそのまま購買につなげることで売上を伸ばしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、SNS上でニーズ顕在層と接点を持ち、商品・サービスの購入につなげるための考え方をご紹介します。
消費者はSNSを見て購入する
総務省の令和3年の調査では、YouTubeの利用率が90%に迫り、InstagramやTwitterも約半数にのぼるという結果が出ています。その割合は、Z世代が含まれる10代、20代ではさらに高くなっています。日常的に利用することが当たり前になったSNSでは、その使用用途がさまざまになり、ただ友人や共通の趣味を持つ人とのコミュニケーションをとるだけではなく、商品・サービスについての情報を調べ、口コミやレビューを参考に購入する人が増えてきています。
SHIBUYA 109 lab.調べによると、Z世代の商品認知経路はTOP3がInstagram、Twitter、動画配信サービスなどのSNSが占めています。つまり、若者世代の購入を増やすためにはSNSでの情報発信が必要不可欠なのです。
SNSで消費者の商品・サービスへのニーズが顕在化していくには大きく2つの流れがあります。
既に特定の商品・サービスを知っている
SNS投稿やテレビCM、通販サイトや比較サイトなどで商品のことを既に認知しており、もっと詳しく知った上で商品・サービスを購入したいと考えている場合です。こういった場合は実際の使い勝手が問題なさそうかや、実際に使っている様子や使ってみた感想を求めることが多く、購入が失敗しないかどうかを確かめたいという心理があります。
具体的には、コスメ系では実際の発色や使用前と使用後を写真でみたり、その他のスキンケア系の商材や、家具・家電では実際に使用した上でのレビュー動画などを通じて購入しても問題ないものか、購入に値するものかを確かめます。
SNSを通じて商品・サービスを知る
一方で、何かしらの商品・サービスを使いたいと思っているが、まだ具体的には特定のものが定まっていない場合にもSNSの情報を通じてニーズが顕在化し、購入に至ることがあります。具体的には、なにかしらの商品・サービスが欲しいと思っている時に、一般的なキーワードなどをSNSで調べ、その中である商品についてすごく高い評価をしている投稿に出会うことがあります。
そして、特定の商品・サービスについて他の人がどう評価しているかをさらに調べる、という流れでニーズを深め、購買意欲が高まっていきます。
ニーズ顕在層を購買につなげるコンテンツ
このようにニーズが顕在化した消費者の購入を促進するためには、企業・ブランド側はどういったコンテンツを投稿・活用していけばよいのでしょうか。
検索結果をリッチにする好意的なコンテンツ
まず考えられるのが、検索しやすいタイトルやハッシュタグを用いた投稿です。近年はSNSプラットフォームを問わず精度の高いレコメンドが実装されており、自分の興味に沿った投稿が自動的に表示されるようになっています。しかしながら、ニーズが顕在化している消費者は欲しい情報を探すためにSNSで検索するのもまた事実です。
基本的なことではありますが、YouTubeであればタイトルや概要欄に商品名や購入の参考になる投稿であることを記載し、InstagramやTwitter、TikTokでは必要なハッシュタグをつけて投稿することを忘れないようにしましょう。
一方で、自社アカウントのみでニーズ顕在層へのリーチに限界があることも確かです。そのため、一般のユーザーの投稿やインフルエンサーによる自発的な投稿、いわゆる「UGC(User Generated Content)」をいかに活用していくかも非常に大切です。商品やサービスに関する好意的な投稿は、公式アカウントが積極的にリツイートやリポストしていくことで、アカウントと良好な関係が築けるようになるでしょう。
ヘビーユーザーであれば、ことあるごとに商品・サービスを紹介してくれる可能性が高いので、自社に友好的なアカウントをリストアップしておきます。キャンペーンや新商品を発表するタイミングなどで連絡をとれれば、さらなる関係値の強化が見込めます。
そしてなによりUGCをみつけるためには、ツールや代理店任せにするのではなく、担当者自身がSNSを使いこなす意識が大切です。リアルタイム速報などで商品やブランド名を定期的にチェックするようにしましょう。
購入へのインセンティブを与える
購買につなげるもう1つの手法が、インセンティブを与える形でのプロモーションです。SNSのキャンペーンは細かいセグメントに対する訴求が可能なこともあり、購入時に入力することで割引やノベルティがもらえるような「プロモコード」を使うことが多いです。
プロモコードはインフルエンサーマーケティング施策との相性が良いです。特にマイクロインフルエンサーと呼ばれる、フォロワー数が1万人以下のインフルエンサーとタイアップし成果を確認しながら徐々に規模を大きくし、継続的にタイアップを依頼するインフルエンサーを決めていく流れを作れるとよいでしょう。場合によってはSNS広告を出すことも検討できますが、その場合にはプロモーションの費用を上乗せした許容CPAを算出しておきましょう。
SNSで購入につなげるためのポイント
SNSで購入につなげるためには購入意欲を高めるコンテンツが重要なことを紹介してきましたが、成果を高めるためマーケティング的に押さえておきたいポイントがいくつかあります。
1. レビュー・口コミコンテンツの強化
レビューや口コミなどの投稿を自発的に増やすことは非常に大事ですが、マーケティング施策として「仕掛け」を作ることも欠かせません。その1つがインフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングは企業からの依頼であることを明示しつつも、あくまでインフルエンサー自身の感想がベースになっているため広告感を薄めたコンテンツとしての効果が期待できます。
ここ数年、Instagramではギフティングと呼ばれる、商品を提供し任意での投稿を呼びかける取り組みが非常に増えています。投稿される確証はありませんが、比較的少ない予算ではじめられ、多くのインフルエンサーが投稿してくれる可能性があるため、UGCを増やす上では実施したい施策の1つです。
態度変容をより促したい場合には、YouTubeでのタイアップ投稿を依頼するとよいでしょう。ギフティングに比べると大きな予算が必要にはなりますが、長尺動画の中でしっかりと紹介してもらえるため、購入の最後のひと押しとなるコンテンツになり得ます。
2. 購入導線を明確に
SNSでの施策とはいえ、現時点では購入がSNS内で完結するのはまだ制度的にもプラットフォーム的にも難しいのが現状です。そのため、購入ページまでの導線設計が非常に重要ですが、チャネルがSNSになった途端、購入導線設計が甘くなってしまっている投稿を目にします。UGCの場合は難しいですが、公式アカウントやインフルエンサーマーケティングの投稿の場合にはなるべく離脱が少なくなるように情報を明確に記載しましょう。
具体的には以下の点を網羅できているかを確認します。
- 商品・サービスの名称
- どのサイトで買えるか(自社サイト or ECモール)
- (掲載できる場合は)購入ページのリンク
- 公式アカウントのID(リンクが掲載できない場合)
また、SNSからの遷移を明確に目的する場合は、SNSから顧客体験が統一されているようなLP設計ができているとなお良いです。具体的には、インフルエンサーをキャンペーンキャラクターとして起用し、LPにも二次利用した写真や動画を記載するようなイメージです。
3. 購入者・利用者にSNS投稿を促す
前の章でも記載しましたが、商品・サービスを利用したことがある人は自社のファンとなり、SNS上でのUGCクリエイターにもなり得ます。既に多くの企業がUGC作りに取り組まれており、配送商品にレビュー依頼のチラシが入っているものはよく目にしますが、SNS上でもハッシュタグなどを使って働きかけるようにしましょう。
SNSでは反応があることが何よりもモチベーションになるため、公式からの反応は非常に喜ばれます。SNS担当として返信は労力がかかりますが、リツイートやリポストは比較的簡単に行えるため、業務工数との兼ね合いでできることからやってみるとよいでしょう。
まとめ
日常的にSNSを利用する時代になり、購入の参考にする情報をSNS上でみつけることが一般的になりました。SNSを通じて売上を高めるために、カスタマージャーニーを意識したマーケティング発想を忘れず、消費者が求める情報を整理し、購入意欲を高める投稿・コンテンツを増やしていきましょう。
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