SNSユーザーからのブランドの認知を高め、売上を伸ばしたい企業やブランドにとって、ギフティング施策は有効な手法です。特に、セールの時期など、消費者の購買意欲が高まる時期には非常に効果的で、費用対効果の高いマーケティング施策として取り組むブランドがますます増えています。

また、新しいインフルエンサーへのアプローチや、過去にタイアップ経験のあるインフルエンサーとの絆を強める上でも効果があります。この記事では、インフルエンサーのギフトキャンペーンを検討されている方に向け、成功を近づける6つの方法を紹介します。

目次

インフルエンサーギフティングを成功させる方法

1. データに基づいて自社商品と相性のよいインフルエンサーを探す

米Tracker社の調査によると、マーケターの81%が適切なインフルエンサーを見つけることを課題に挙げています。特にギフティング施策では対象のインフルエンサーが多くなるので、適切なインフルエンサーを見つけることがより難しくなります。

また、ギフティングでは通常のタイアップ案件とは異なり、投稿内容を指定することができないので、候補者リストの良し悪しが成果に直結します。そのため、成果を高めるには、データをフルに活用してインフルエンサーを探すことが重要です。ここから、インフルエンサー探しのアイデアをいくつか紹介します。

インフルエンサーの興味に基づいて絞り込む

インフルエンサーのデータベースを持つインフルエンサーマーケティングツールを使うことで、インフルエンサーの過去の投稿やプロフィールに記載されているハッシュタグやフリーキーワードで検索し、絞り込みの作業を効率化することができます。

国内にもさまざまなインフルエンサーマーケティングツールがありますので、予算や目的にあわせて最適なものを使いましょう。

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デモグラフィック属性とパフォーマンス指標を調べる

ギフティングを行う予定のインフルエンサーは、商品・サービスのターゲットに合致したファンを抱えているでしょうか。インフルエンサーのファンが商品を販売している地域に住み、ターゲットとして適切な収入や関心があるかについては確認の余地があるでしょう。また、他のブランドによる過去のタイアップ投稿では高いエンゲージメント率やリーチ数を獲得できているかも、パフォーマンスの判断に役立ちます。

ブランドとの親和性を確認する

適切なインフルエンサーかを確認するもう1つの方法は、過去の投稿などでブランドについて触れていたことがあるかどうかです。また、別の考慮点として、投稿内でしっかりと商品・サービスを紹介できるのかという、スキルセット的な問題があるかもしれません。

インフルエンサーリストの幅を広げる

ブランドの中には、商品とは異なるカテゴリーのインフルエンサーを起用したプロモーションの実験を行い、成功を収めているところもあります。例えば、美容系商材のプロモーションにファッションインフルエンサーを起用するなど、ファンが重複している可能性がある場合にはギフティングの幅を広げることも試してみましょう。

2. インフルエンサーへの依頼内容を明確にする

インフルエンサーの中には、ギフティングを受けられない理由があったり、そうではなくても通常のタイアップ投稿しか受けていない人もいます。また、他の投稿との兼ね合いで希望投稿期日までに投稿ができないこともあるので、事前にギフトを送っても問題ない人かを確認できるとよいでしょう。

インフルエンサーにお願いしたいことを明確に、正しく伝えることで、インフルエンサーにとっても自発的な行動を促しやすくなります。以下に一例を記載します。

  • 依頼内容がギフティングであることを明示する
  • 希望する投稿スタイルと期間を伝える
  • ギフティングの対象として選んだ理由や思いを記載し同封する

3. ギフティング施策の目標とKPIを設定する

KPIは、施策成功のための指針となります。商品やブランドの認知度を高めるためのギフティング施策の場合、投稿された数、トータルのエンゲージメント数、動画視聴数、平均エンゲージメント率などのKPIが施策成功の判断に使われます。

その他、トラッキングに役立つ項目をいくつか紹介します。

インフルエンサー規模ごとの投稿数

これは、さまざまな規模のインフルエンサーを試す際に参考になります。例えば、マイクロインフルエンサーがミドル・メガインフルエンサーよりも多く商品やブランドについて投稿していることが分かったとします。そうすると、次回以降のギフティングの際には異なる戦略を考えることもできるでしょう。

ブランドのハッシュタグの閲覧数

ギフティングの際、インフルエンサーにハッシュタグを使用した投稿を依頼し、それをファンにも促すことで、ファンのUGCでも同じハッシュタグの使用が見込めます。そうすることで、特定のキャンペーンを通じた拡散を把握できます。

インフルエンサーの投稿に対するコメント

これは定性的な指標となりますが、ファンが実際に興味を持っているかどうかを判断するのに役立ちます。例えば、インフルエンサーに対してのコメントなのか商品に対してのコメントなのか、コメントは複数件ついていて、議論が起きているのか、などはその投稿から生まれた熱量を測る参考になります。

これらの指標を計測できるようになれば、ギフティング施策の進捗を都度確認し、改善案をすぐに出すことができます。

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4. パッケージは可能な限りカスタマイズする

ギフティングは、インフルエンサーの投稿を100%保証するものではありません。そのため、届いたとしても興味を持たず、手にも取らないような商品をインフルエンサーに送ることは避けたいところです。リストアップの際に、インフルエンサーの興味、関心、ファン層を吟味し、あらかじめ商品を送る前にキャンペーンへの関心を確認する方法もあります。

例えば、アメリカのとある子ども服ブランドでは、インフルエンサーと契約する際に、2つの方法を用いていると言います。

ブランドと親和性のあるインフルエンサーを探す

ブランドのファンと一緒に仕事をすることを意識することで、宣伝色を薄めることができるだけでなく、関係を継続的なものにすることできます。

オプトインスタイルを取り入れる

初回のアプローチの際、商品を発送する前に、商品をギフティングすることを許諾してもらう、というスタイルでギフティングを進めます。そうすることで、好意的な人かどうかを事前に把握でき、その結果、ギフティングをしたインフルエンサーが積極的に投稿し、ブランドをタグづけする傾向が高まります。

こうやって、投稿してくれる可能性の高いインフルエンサーに絞ってギフティングを行うことで業務効率を高め、ブランドとの相性がよくないインフルエンサーからの不評を買う可能性を減らすことができます。今日のインフルエンサーは、私たちが想像しているよりも多くのギフティングを受けています。そのため、受け取ったものの全てを確認しているわけではなく、楽しみにしていた商品だけを選んで使い、残りを処分していることもあるのです。 

インフルエンサーが素晴らしい体験だと感じるようなギフティング施策にしたいのであれば、さらにもう一手間加えてみるのもおすすめです。

まず、商品パッケージはクリエイティブにこだわり、パーソナルなギフトである仕掛けを作りましょう。例えば、目を引くような包装に担当者手書きのメモを添えれば、多くのギフティングの中から商品を際立たせることができます。ブランドによっては、投稿のモチベーションを高めるために、一般には手に入らないブランドブックを同梱することもあります。

5. 発送後にもフォローアップする

商品を発送したら、配送状況を確認しながら、インフルエンサーにフォローアップのDMやメールを送りましょう。荷物が届くタイミングを伝えることで注意を促し、期待感を持たせることができます。この小さな気遣いは、インフルエンサーとの関係を大切にしていることを示すものでもあります。

また、インフルエンサーの普段の投稿に絡めた期待感を伝えることも重要です。たとえば、10月に発色の良いアイシャドウをギフティングする際、「ハロウィーン仕様のメイクを楽しみにしています」といったようなものです。また、ギフティングによる投稿の際はその旨記載することを忘れないように依頼し、あわせてキャンペーンのハッシュタグの使用を働きかけるようにしましょう。

これらの業務は、工数的に自分たちでは行いきれない場合もあります。その際には代理店などに依頼して業務を分担することも考えてみましょう。

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THECOOではギフティング施策のサポートも承っています。実施施策例は以下よりご覧いただけます。

ギフティングプロモーション

6. リアルタイムに投稿をトラッキングする

インフルエンサーのギフティング投稿は人によってタイミングがばらばらなので、数週間にわたって投稿が続くのが一般的です。この間、ギフティング対象のインフルエンサーをフォローできるようなシステムを整えておくことが重要です。インフルエンサーは一度だけ投稿したのか、それとも何度も投稿したかや、商品を気に入っていそうか、ファンの反応はどうか、商品に関するコメントを書いているかなど、確認していきましょう。

投稿されたら、ブランドのアカウントからもコメントしたり、場合によっては直接インフルエンサーのフォロワーに返信したりして、ファンにも働きかけるようにしましょう。そうすることで、より多くの人にブランドが認知されるようになります。

最後に、インフルエンサーから許可を得られた場合には、ブランドの公式アカウントでインフルエンサーの投稿を再投稿しましょう。Instagramでよく行われる例としては、インフルエンサーの投稿をストーリーズにポストし、感謝のコメントを添えることなどがあります。

多くのブランドでは、ギフティングによる投稿を広告やメールなどで二次利用することがありますが、その際には必ず相手に許諾を得る必要があります。さまざまな用途で投稿を利用する場合には、改めてタイアップの契約を結ぶことも必要になるかもしれません。それは、インフルエンサーの投稿というのは、インフルエンサーにとって1つの作品であり、インフルエンサーが作り上げてきたブランドや世界観があるからです。

インフルエンサーをリスペクトし、良好な関係を築くことが、継続的なブランドの成長にもつながります。