Z世代が行う情報収集の方法

Z世代の観光

「Z世代を対象にした『旅マエ』に利用するメディア調査」（株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター／2023年9月・2024年9月）によると、旅行先を調べる際に使用するSNSは圧倒的にInstagramが多いことがわかります。観光に関する検索には自由な検索が可能で、実際の予約もできるGoogleの使用が最も多いですが、その他のSNSとしてはInstagram、TikTokが代表的であることがわかります。これらのSNSが主に観光情報収集に使われる理由と、どのように活用されているのか、また、さまざまな視点から観光地をPRするインフルエンサーについて紹介します。以下の表では、Z世代の女子がどのように旅行先を調べるかについてです。

各SNSの使い分け

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出典：Z世代女子を対象にした「旅マエ」に利用するメディア調査～2024年度版～

（https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2025/03/GenerationZ-degitalmedia.pdf）

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上記の調査を比較すると、【6】旅行先を調べる手法としてはGoogleの使用が最も多いです。Googleではサイトの閲覧だけでなく各種類のSNSを調べられるため、最も調べ方の幅が広い特徴から、使用される割合が高いことは自然です。次に利用されているSNSはInstagram、TikTok、X、Youtubeという順番です。

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また、旅行の行き先についての「具体的な調べ方」で使用するSNSに関して、2023年はInstagramに続きGoogleが使用されていましたが、2024年ではInstagramの次にTikTokが使用するものとして位置しています。この変化から、TikTokは旅行先の具体的な調査方法として使うことに利点を感じている人が多い可能性が高いことがわかります。

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Z世代の旅情報収集術：Instagram、TikTok、YouTubeの使い分けとその理由

Instagramを使用して情報収集をする理由

まず、Instagramで観光の情報収集をする方法として、以下が挙げられます。

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• 場所で検索する
• 場所＋グルメ、場所＋ホテル等、気になるワードとともに検索する
• Instagram内の地図から投稿が多い場所を挙げて調べる
• おすすめの投稿として出てきた場所を調べる

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以上のように、大まかな場所から特定の場所の情報まで幅広く調べることができます。また、Instagramでの投稿の特徴として以下が挙げられます。

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• 地図から投稿を探せる
• 文字だけでなく写真から観光地の雰囲気を知ることが出来る
• 情報の発信者が一般人であることが多く、同じ立場からの評価が見られる
• 投稿の量の比較から流行が分かる
• 画像と文字のどちらかに情報が偏らずに紹介できる
• リール動画であればTikTokと同じ動画を見られることも多い
• リール動画であればYoutubeのショート動画が載っていることも多く、アカウントによっては気になった場所の長尺動画を見られる

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このように画像＋文字で投稿ができるInstagramでは、1つの投稿で10以上の情報の紹介が可能です。情報の紹介の場所としてはInstagramが最も適しているため、表面的な情報の検索に使用するSNSとしてはInstagramの利点が大きいと考えられます。

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加えて、「リール動画」ではTikTokやYoutubeのショート動画と同じものを投稿できるため、画像での旅行先の情報収集に加えて、動画で具体的に観光地の情報を得ることができます。Instagramは大まかな情報も細かい情報もどちらも紹介できるSNSであることから、「【6】旅行先を調べる手法」にも「【7】具体的な調べ方」にも上位に入っていると予想されます。

TikTokを使用して情報収集をする理由

次に、TikTokで観光の情報を収集する方法として、以下が挙げられます。

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• 特定の観光地を検索する
• 場所＋グルメ、場所＋ホテル等、気になるワードとともに検索する
• 「女子会」「カップル」等、旅の種類に合った検索をする
• おすすめの投稿に出てきた場所を調べる

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TikTokでは主な情報提供の方法が動画であるため、特定の場所の詳細がわかる点でInstagramのリールと同じです。Instagramのリール動画とTikTokでは大きな違いがないように思われますが、TikTokだけでのみ活動しているインフルエンサーも多くいること、動画だけを見たい人には短尺動画の専門性が高いTikTokが適しているという点から、具体的な調査に使う人が多いと考えられます。

TikTokでの投稿の特徴として以下が挙げられます。

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•  観光対象の大きさや色合いが実際に見たものに近い状態で確認できる
• 動画から実際の観光地の雰囲気が分かる
• Youtubeのショート動画が載っていることも多く、アカウントによっては気になった場所の長尺動画を見られる

以上のように、ホテル1つでもTikTokの動画では外観、内装、景色、ホテルの食事等を動画で投稿します。instagramの写真1枚の投稿ではわからなかった実際の大きさや色合いが、動画では分かるようになります。TikTokの方がInstagramの写真の投稿よりも映る範囲が広かったり、説明の声や観光地の音が入っていたりすることから、実際に行った時の雰囲気を感じやすい媒体であると考えられます。

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また、紹介の動画は短尺が多いため、短い時間で同じ観光地の動画を見ることができます。対象の詳細な情報を早く、沢山得られることはTikTokの利点です。

Xを使用して情報収集をする理由

Xで観光の情報を収集する方法として、以下が挙げられます。

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• 特定の観光地、ホテルを検索する
• 話題になっている時におすすめの投稿に出てくる観光地を調べる

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Xではアカウントの持ち主が興味のある分野を超えていてもその時話題になっている投稿は表示されることが多いです。よって、Xで素早く観光地の情報が拡散されている時には、アカウントのジャンルは問わずに多くの人の目にふれる投稿となる可能性が高いです。観光地を調べていなくても観光地の情報が得られるSNSであることから、旅行先を調べる方法としてYoutubeよりも上位にいると考えられます。

次に、Xでの投稿の特徴として以下が挙げられます。

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• 画像と文字での投稿が出来るため、Instagramと同じような写真と文字の両方での紹介が可能
• 文字が主に使われるSNSであるため、検索にヒットしやすい
• 「話題」欄から過去に話題になった投稿がすぐに見られる

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以上のように、Xでは文字によるSNSならではの検索への引っかかりやすさが挙げられます。リポストや引用ポスト、コメントからより詳しい情報を知ることも出来ます。最新の情報、話題の情報と分けられていて過去の投稿が調べやすい点も情報収集に役立つため、旅行先を調べるSNSとしてInstagram、TikTokの次に使われていると言えます。

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Youtubeを使用して情報収集をする理由

Youtubeを使用して情報収集する理由としては、最も詳細な旅行の例が見られるためです。Youtubeで観光の情報を収集する方法として、以下が挙げられます。

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• 特定の観光地やホテルを検索する
• 場所　グルメ、場所　ホテル　等気になるワードとともに検索する
• 「女子会」「子連れ」等、旅の種類に合った検索をする
• 駅、バスの乗り換えの仕方を調べる
• 観光地への行き方を調べる
• 1日の旅の周り方を調べる

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場所単体の検索をメインに使うTikTokやInstagramとの大きな違いは、Youtubeの長尺な特徴を活かして旅行の始まりから終わりまでの紹介、乗り換えの方法、お店の紹介等動画で伝えられる種類の幅が広いことです。

Youtubeの投稿の特徴としては以下が挙げられます。

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• 旅の始まりから終わりまでの例が見られる
• 複雑なバスの乗り方の説明、乗り換えの仕方等、1つのことに対しての細かい内容を調べられる
• 旅の周り方の詳細を見られる
• 旅に行く相手に添った観光地やホテルが1つの動画ですべて見られる

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このように、Youtubeは動画の長さの規定がないことで動画の内容の幅が広がっていることがわかります。

実際にYoutubeで「京都旅行」と検索すると、視聴回数の多い動画は1分にも満たないショート動画または25分以上から3時間ほどになる長尺動画がほとんどです。この傾向からは、Youtubeの旅行動画は、旅の初めから終わりまでを写した最も詳細な動画であるという特徴から、局所的な情報ではなく旅全体の細かい情報収集のために再生されているという解釈ができます。

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以上から、各SNSによって集めやすい情報が違うことがわかります。旅行先を調べる方法としてInstagram、TikTokが圧倒的に多いことから、Z世代は旅行の情報を調べるときに、時短になって沢山の情報を手に入れられる方法を採用していると考えられます。短い時間でより良い情報が得られることはZ世代が求める「タイムパフォーマンス」の高さにも繋がっています。

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観光地を紹介するインフルエンサー

様々な方向性のある旅行系アカウント

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旅行の情報収集ではアカウントにこだわらずに調べることが多いですが、旅行に特化したインフルエンサーは情報収集の初めに調べるという方もいるでしょう。次に、観光地紹介を行っているインフルエンサーを紹介していきます。

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1.くぼたび｜旅に生きるアラサー夫婦

Instagram、TikTok、X、Youtubeで旅情報を届けている、夫婦で旅をするインフルエンサー。TikTok、Instagramでは旅の短尺動画、Youtubeでは1時間を超える旅の動画をあげています。観光地の中でもホテルに関する動画が多めになっており、部屋やホテルのご飯、大浴場まで実際に体験しつつ紹介するかたちから、信憑性の高い上にわかりやすい動画であり、旅行の参考にぴったりです。

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2.RIE｜週末旅する会社員

女子旅、家族との旅、夫婦旅と、旅をする相手が様々登場するこちらのアカウントでは、行く相手によって異なる種類の旅行の仕方が見られます。Instagramでは画像の投稿でわかりやすく、TikTok、Instagramのリールでは短尺の動画でわかりやすくかつInstagramの写真投稿よりも細かい旅紹介を行っています。

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3.コスパ旅@コスパ良くオシャレに旅行✈️

ホテルや観光場所、期間限定のイベントまで幅広い旅先の提案をしているアカウントです。Instagramでは投稿に文字でキャッチフレーズを書いてあるため、自分の希望に合った、興味のある投稿から観光先を探すことができます。「コスパ旅」とあるように、入園料が無料のイベントや施設の紹介も行っているので、あまりお金がかけられなくても出かけ先の参考にすることが出来る場所の紹介を行っています。

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このように女子旅、夫婦旅などアカウントによる方向性の違いがあります。私もその時の旅に合うように検索を変えてSNSで情報収集しています。1度TikTokで大々的に紹介されているホテルに行ったことがありますが、そのコストパフォーマンスの高さに驚きました。サイトで見るよりも実際の感想を聞くことができる旅行関連の動画は信憑性の高い情報収集の方法であると感じています。

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SNSによって都内で話題になり続けている場所

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SNSで話題になっている場所について紹介します。近年、「自然界隈」という言葉があるほど、敢えて自然で溢れた場所に行く人が増えています。TikTokでは「＃自然界隈」が38,000投稿ありますが、ほとんどが2024年か2025年の投稿です。次に、自然に溢れていてZ世代にも流行っていると推測できる場所を紹介します。

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1.調布（深大寺）

「むさし野深大寺窯」では陶芸体験や陶器の絵付け体験ができたり、有名な「深大寺そば」があったり、食べ歩きのお店が沢山並んでいたりと観光向けのお店が沢山あるお寺です。奥には植物園があり、自然に囲まれている場所です。元々知名度が高いお寺ではありますが、TikTokやInstagramでの閲覧数の高さ、インフルエンサーが実際に訪れている投稿からはZ世代の関心が高まっていることも予想されます。

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2.奥多摩

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蕎麦屋「丹三郎」や釜飯屋「釜めしなかい」の投稿が計４万良いねを越すことから、2023年から現在にかけて、奥多摩観光に関心を持つ人が多い可能性が高いです。東京都内でありながら大自然が満喫できるため、「自然界隈」が流行っている今ではZ世代も観光しやすい場所として観光場所の候補になっているのではないでしょうか。

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3.田無（田無神社）

鎌倉時代に創建され、パワースポットとして有名になった田無神社です。五行思想に基づき本殿に級津彦命（しなつひこのみこと）・級戸辺命（しなとべのみこと）として金龍、境内各所に黒龍、白龍神、赤龍、青龍を配祀し五龍神として信仰しています（田無神社ー田無神社とは（https://www.tanashijinja.or.jp/about.html）より引用）。五龍神をモチーフにしたお守りや、龍の描かれた御朱印を販売していて、そのご利益はSNS上でも話題になっています。

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まとめ

Z世代はどのようにSNSを使った観光情報を収集しているのかについて、各SNSの使われる割合と使われ方の観点から紹介しました。SNSで話題になることで観光客が増えていることは明らかであり、SNSでのプロモーションによって観光客増加の見込みがあると言えるでしょう。

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関連記事

・田無神社ー田無神社とは

https://www.tanashijinja.or.jp/about.html

・Z世代を対象にした「旅マエ」に利用するメディア調査（株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター 研究員 松本 百加里　駒沢女子大学 専任講師 本間 准/2023年9月）

（https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2023/09/GenerationZ-degitalmedia.pdf）

・・Z世代を対象にした「旅マエ」に利用するメディア調査（株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター 研究員 松本 百加里　駒沢女子大学 専任講師 本間 准/2024年9月）

（https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2025/03/GenerationZ-degitalmedia.pdf）

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