インフルエンサーとの関係作りの観点からギフティングで気をつけたいこと

インフルエンサーへのギフティングは年々進化しており、企業やブランドはインフルエンサーへのギフティングがどう変化してきているか、理解しておくことが欠かせません。インフルエンサーマーケティングが活用され始めた当時は、ギフティングすること自体が通常投稿で扱ってもらうための効果的な方法でしたが、多くの企業が取り組むようになった今日、インフルエンサーはさまざまなブランドから商品や無料のオファーを受け取るようになり、状況が一変しました。

ブランド間の競争が激化していることを考えると、マーケティング担当者は自社の商品やサービスがインフルエンサーにとっても真に魅力的であることを伝える必要があります。そのため、ギフティングの目標はインフルエンサーにただ無料で商品を送ることから、インフルエンサーへのギフティングを通じて真の価値を知ってもらうことに変わりました。ここでは、インフルエンサーに商品をギフティングする方法について、良い関係を作る観点からいくつかのベストプラクティスを紹介します。

目次

インフルエンサーの興味を知る

ブランドは、ただ商品を送りつけるだけでなく、インフルエンサーにとって何が重要なのか、何が原動力になっているのかを理解することが重要です。インフルエンサーにとって重要な価値観は何なのか？ブランド自身や商材がギフティングの対象としているインフルエンサーの興味のあるポイントを押さえられていることを確認しましょう。

インフルエンサーは専門性が高い人もいるとはいえ、あくまで一般人です。消費者に向けて訴求していることをインフルエンサーにも訴求し、魅力を感じてもらえれば、ギフティングを通して通常投稿の中でも取り上げてもらえる可能性が高まります。

※ギフティングによる投稿もプロモーションとして扱われるため、ギフティングを通した商品紹介の際には#PRなど、企業から依頼されたプロモーションであることの明記が必要となります。インフルエンサーにもその旨を伝えることが必要です。

パッケージをパーソナライズする

インフルエンサー同士は横のつながりを持っています。そのコミュニティの中で商品をアピールするため、ギフトのパーソナライズを検討してみましょう。例えば、手書きのメッセージやインフルエンサーが喜ぶ細かな工夫など、シンプルでも心のこもった商品にすれば、他社と差をつけることが可能になるでしょう。

ギフティング体験に工夫を凝らす

商品に対する第一印象は何よりも大事です。第一印象がよければそれだけで他のギフティング商品よりも記憶に残ることを意味します。インフルエンサーへのギフティングは、通常のプレゼントキャンペーンとは異なり、ただ商品を送るだけではありません。なぜなら、SNSの本質は、他の人と体験を共有することにあるからです。ブランドがこれを実現する方法としては、インフルエンサーがフォロワーと一緒に開封して盛り上がれるような美しいパッケージを作ることです。

インフルエンサーのプレゼント企画も意識する

インフルエンサーは、フォロワーとつながり関係を強めるために、よくプレゼント企画を開催します。プレゼント企画は新たなフォロワーを獲得するための手法と捉えられがちですが、いつも応援してくれていることに感謝を伝えるための素晴らしい方法でもあります。インフルエンサーにプレゼントする際に、企画にも使ってもらえる量を用意することで、通常投稿でも商品を宣伝してもらえるようになります。

インフルエンサーにプレッシャーを与えない

ここまでもお伝えしてきましたが、インフルエンサーは常に多くのギフトを受け取っています。インフルエンサーがすべてのギフトを紹介しているような状態では、どうしても広告色、宣伝色が出てしまい、望ましい効果が得られないことがあります。

インフルエンサーに商品を楽しんでもらいたい一方で、もし彼らの生活の中で価値を感じてもらえない場合には、無理に投稿する必要はないというメッセージを含めることが、本当に価値あるものだということを確実に伝える方法の一つです。

割引コードやアフィリエイトを組み合わせる

一方、ギフティングをきっかけにインフルエンサーと関係を築きたいブランドは、インフルエンサーがフォロワーと共有したくなる割引コードを含めることで、最初からインセンティブを与えることも検討しましょう。インフルエンサーが以前からのブランドや商品のユーザーである場合には、オーディエンスにも紹介する可能性が高まります。

しかしながら、割引コードのオファーは、自らの投稿から広告色をなるべく減らしたいと考えているインフルエンサーには受け入れられず、逆に提案すること自体がマイナスの印象を与えることもあるため、過去のPR投稿の有無や投稿などを調べることも必要になります。また、割引コードなどの配布はステマにならないよう、ギフティングであることを明記してもらうよう依頼が必要です。

インフルエンサーが以前からのユーザーかどうかや、過去のPR投稿がどのようなものだったかを調べるためには、基本的には過去の投稿を確認していく必要があります。インフルエンサーマーケティングツールなどを使って、効率的に確認できるようにしましょう。

まとめ

インフルエンサーへのギフティングは、インフルエンサーがファンに届ける魅力的なコンテンツを作るという目的と相まって多くのブランドが積極的に取り組むようになり、飽和状態になってしまいました。

インフルエンサーと良い関係を築く、ギフティング内容をパーソナライズする、ギフティング体験自体をシェアできるようにする、企画にも使える量を送付する、割引コードをあわせて提示する、などのベストプラクティスを参考にして、競合企業からのギフティングに埋もれず投稿に使ってもらえるよう促していきましょう。さらに、企業やブランドを気に入ってくれている、真のブランドインフルエンサーを見つけ出していきましょう。