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AI時代における新たな顧客接点:インフルエンサーマーケティングで築く「共感」と「信頼」の顧客体験
INDEX
マーケティング担当者にとって必須なツールとなりつつあるAI。顧客情報のデータを用いた分析であったり、クリエイティブ生成や情報検索などさまざまな分野で活用が進んでいます。AI活用が進み便利になる一方で、情報の信頼性や顧客接点も重要視されるようになってきました。
本記事では、AIによって変革するマーケティング環境において、SNSマーケティング、特にインフルエンサーマーケティングを通じて、いかに顧客との関係性を構築し、信頼を醸成していくかについて詳しく解説します 。
AI活用が当たり前に
2025年のインフルエンサーマーケティングトレンドでもご紹介したように、日本は米国と比較して、生成AI活用の推進度合いが停滞していることが分かります。
しかし、マーケティング担当者に限って活用状況を見ると、他国に遅れはとっているものの、54%の日本マーケティング担当者が「日常的に活用」もしくは「実験的に生成AIを活用している」といったデータもあります。これは2人に1人が生成AIを活用していることになり、マーケティング担当者にとっては、すでになくてはならないツールとなりつつあることが予想されます。

この流れはインターネット上の行動にも影響しています。特に直近でマーケティング担当者が実感しているものといえば、SEO関連ではないでしょうか。
Googleが推進しているSearch Generative Experience(生成AIによる検索体験)の影響により、ユーザーはどのウェブページをクリックする必要なく欲しい情報を得ることができるようになりました。
特に今年3月に行われたGoogleコアアップデートでは、AI Overview(AI による概要の表示)の表示量が116%も増えたと発表があり、今後もゼロクリックサーチの流れは加速すると予想されます。
さらに今年5月には、米国ユーザー向けに対話型AI「Google AI Mode」が検索画面に追加されました。GeminiやChatGPTのような画面となっており、従来の検索行動が大きく変わろうとしています。

ウェブサイトのあり方が変わる
これらのことから、実際にサイトトラフィック減少やCTR減少が起こっている業界業種も少なくありません。ユーザーの検索行動が大きく変わっていくのに伴って、Webサイトのあり方も変化していくことが予想されます。
例えば、これまでのウェブ行動であれば比較検討段階でユーザーはさまざまなサイトを回遊していましたが、それがAIによって得られるようになるため、Webサイトに訪れてすぐにCVする、といった行動が起こる可能性があります。
大きな変化を目前にしたいま、企業は消費者とどう接点を紡いでいけば良いのでしょうか。
これからの消費者との顧客接点:インフルエンサーマーケティングが拓く新たな可能性
AIによる環境変化が進む中で、消費者との信頼関係を築くためには、さまざまなアプローチが重要になります。ここでは、特にインフルエンサーマーケティングと高い親和性を持つマーケティング手法についてご紹介します。
1. 体験を重視したコンテンツとインタラクション
AIが情報を提供する時代において、消費者が求めるのは「体験」や「共感」です。商品やサービスの機能だけでなく、それらを通じて得られる感情やライフスタイルに焦点を当てたコンテンツが、顧客の心を掴みます。インフルエンサーマーケティングは、まさにこの「体験」を伝えることに特化した手法と言えます。
・体験型コンテンツの強化
商品の使用感やライフスタイルの中での具体的な使用シーンをイメージさせるようなコンテンツが注目されています。
例えば、リアルイベントやポップアップストアの展開、VR/ARコンテンツの提供、インタラクティブ動画やシミュレーション提供といったものを通じて「体験」を消費者に提供します。リアルイベントの集客やSNS投稿促進のために、インフルエンサーを招待することも多いです。
・UGCの促進と活用
顧客の「リアルな声」は、AIによる情報過多の時代において、より信頼性の高い情報源となります。消費者が商品を利用している様子や感想をSNSでシェアしてもらい、それを公式アカウントでも積極的に紹介することで、リアルな声と共感を広げます。
他にも、インフルエンサーへのギフティングを通じて、その使用感や感想を投稿してもらうことで、影響力ある質の高いクチコミを発生させ、トレンドへの足がかりにすることも可能です。
・ライブコマースやライブ配信の活用
インフルエンサーによるライブ配信は、商品紹介だけでなく、使用方法の実演や質疑応答をリアルタイムで伝えることができます。
また公式アカウントとのコラボ配信や公式番組への出演などによってインフルエンサーと共演することで、リアルな使用感以外にも開発秘話などブランドメッセージも自然に伝えることができます。
2. ストーリーテリングによるブランドロイヤルティの構築
AIが効率的に情報を集約する一方で、ブランドに対する「愛着」や「共感」といった感情的な要素は、最終的な購買行動に強く影響します。インフルエンサーは、ブランドのストーリーを人間味あふれる方法で伝え、顧客との深い結びつきを築く上で重要な役割を担います。
・ブランドのビジョンやミッションの発信
なぜその商品やサービスが生まれたのか、どのような価値を提供したいのかといったブランドのストーリーを、インフルエンサーを通じてSNSや動画コンテンツで積極的に発信することも可能です。これにより、単なる製品の羅列ではない、感情に訴えかけるコミュニケーションが可能になります。
そのためには、インフルエンサー自身にブランドのファンとなってもらい、良好な関係を築くことが必要となってきます。インフルエンサーと関係値を構築するためには、単なるタイアップやギフティングだけではなく、座談会や開発インタビューにインフルエンサーを招待するといった施策が有効です。
・顧客の生活に寄り添ったコンテンツの提供
商品の性能やメリットだけでなく、商品を取り巻くライフスタイルや、商品を使用することで得られる感情的な価値に焦点を当てたコンテンツが求められます。
インフルエンサーを活用する場合、起用時にブランドと相性が良いインフルエンサーを起用するのはもちろん、インフルエンサーそれぞれの良さを活かすようなタイアップが理想です。
例えば、商品のメリットやポイントをすべて伝えてもらうような依頼をしたり、撮影方法や構成案に対して細かすぎる指示をする、などはインフルエンサーのオリジナリティを消してしまうことになるため注意が必要です。
3. コミュニティと共創の機会
AIが情報を提供するだけの存在であるのに対し、人間はコミュニティの中で繋がり、共に何かを創り出すことに喜びを感じます。インフルエンサーは、このような消費者同士の繋がりを促進し、ブランドと顧客の「共創」を可能にします。
・ファンコミュニティの活性化
商品のファンが集まるコミュニティを運営し、限定イベントや新製品の先行体験などを通じて、ファン同士の繋がりとブランドへのエンゲージメントを深めます。
・ファン参加型企画の実施:
新商品開発やサービス改善に、インフルエンサーとファンの意見を募る共創プロジェクトを実施します。ファンは自分がブランドの一部であると感じ、より強い愛着を抱くようになります。
人間らしさが求められる
AIによってマーケティングが便利になる一方で、人間らしさを欠いた機械的なメッセージは、かえって信頼性を損なう可能性があります。
実際、消費者の55%が生成AIによって作られた広告を認識しており、定型的なメッセージや機械生成の画像に対して敏感になっているというデータもあります。
消費行動に影響を与えるのは、「友人知人の紹介」や「クチコミ・レビュー」、そして「公式アカウントや信頼するインフルエンサー」といった、信頼性と透明性の高い情報源です。
これは、AIがどれほど進化しても、「信頼」と「共感」という人間的な要素が、最終的な購買行動を左右する重要な鍵となることを示しています。

まとめ
AIOやゼロクリックサーチといった大きな変化を目前にしている中で、マーケティング担当者は「情報を提供する」だけでなく、「消費者との関係を築き、価値を共創する」という視点への転換が不可欠です。
Webサイトへ誘導するだけでなく、多角的なチャネルやキャンペーンを活用して、消費者の課題解決、体験創出、感情的価値の提供、コミュニティ形成に注力することで、消費者との深いつながりを生み出し、持続的なビジネス成長を実現できるのではないでしょうか。
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