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THECOOマンスリーレポート/2025年7月
INDEX
お久しぶりです。この度、本メディアは今年の3月より休刊しておりましたが、2025年7月より再開する運びとなりました。これからも、SNSやインフルエンサーマーケティングの「今」を、もっと分かりやすく、そして皆さんの日々に役立つ情報としてお届けできるよう、頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
ちょうど夏休みが始まる季節となり、国内外への旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか。私自身も、新しい景色との出会いを求めて旅行の計画を進めており、胸を躍らせています。
さて、先日行われた参議院選挙では、三連休の中日にもかかわらず、前回の選挙よりも投票率が伸びたという報告がありました。特定の政党の支持率が急速に変化している様子を見ると、SNSを通じた情報伝播の力は決して侮れないと改めて強く感じています。
私たちTHECOOは、SNSやインフルエンサーに関する施策事例や調査資料の公開を通じて、SNSおよびインフルエンサーマーケティングを検討・実施される皆様に役立つ多様な情報を提供しております。
本記事では、2025年7月におけるSNS、インフルエンサーマーケティング、および関連する主要トピックについて、簡潔にまとめてご紹介いたします。
直近のSNSやインフルエンサーマーケティングの動向にご興味をお持ちの皆様にとって、本記事が今後の施策検討の一助となれば幸いです。
昨今の気になるタイアップ
場面別旅行CMの展開
今回は、旅行のTVCMについてご紹介します。
▶︎カップル 編(タイ)
▶︎女子旅 編(韓国)
▶︎1人旅 編(台湾)
・共感を呼ぶCM戦略
上記は、株式会社Trip.com Japanが2025年7月1日に放送を開始したTVCMです。
旅行に行く相手、場面は様々ありますが、女性が旅行に行く相手として主要である「恋人」「友人」「一人」の場面を全て網羅しているところが特徴的です。どれか1つの場面だけCMを作るよりも、このように場面を分けて制作することで、より多くの視聴者の旅行の思い出とマッチし、行きたいという気持ちになりやすくしていると考えられます。
・瞬間移動で表現する「手軽さ」と「開放感」
また、CMの構成ですが、携帯の通知にTrip.comの通知が来てすぐに日本から旅行先へと移動している映像に切り替わる点が特徴的です。加えて、日本では白黒だった映像が、旅行先に行った途端に色鮮やかになります。旅行での飛行機、パッキングといった大変な部分をカットしていることで、旅行の楽しさ、手軽さの印象を強く与え、「trip.comを通した気軽に行ける旅行」や「旅行での開放感」を強調していることが分かります。
・ターゲットに最適な距離感
3場面での旅行先はいずれもアジア圏で、実際に他の国よりも近いため、視聴者に海外旅行を勧める場所として程よい場所です。「カップル編」ではタイ、「女子旅編」では韓国、「1人旅編」では台湾という各々の設定は、最も遠い場所は恋人と、最も近い場所は1人、その間は女子旅となっていて、場所選びも適材適所であると言えます。
各政党やインフルエンサーによる若者への呼びかけ
タイアップではありませんが、インフルエンサーやSNSアカウントによって選挙への参加が推進されている現状について、ご紹介します。まずは、各政党が行っているSNSでの選挙活動について、以下の表から違いを考えます。

出典:PRTIMES 株式会社エビリー”【2025年参院選 YouTube調査】エビリーが各政党のYouTube動向を分析レポートとして公開”(2025.7.17引用)
上記の表からは、各政党の公式チャンネルでは動画投稿に大きな差があることが分かります。動画投稿本数、視聴回数、エンゲージメント数は比例していないことは明らかであり、政党によってSNS運用の方法が全く異なることが分かります。
・インフルエンサーと情報アカウントの役割
若者に向けては選挙に行き、投票することを強く呼びかけているインフルエンサーも数多くいます。
・インフルエンサー「つーさんとゆっぴ」
この投稿では、流行りのダンスの動画にキャプションとして選挙の話題を載せています。この投稿からは、いつもの投稿に選挙の話題が混ざっているだけという印象を受け、自然な形で選挙に行こうと思わせてくれるメッセージであるように感じました。「推しが言うなら」と選挙に行く人もいるかもしれません。インフルエンサーは、今までよりも多方面で活躍できる状況になっています。
・情報提供アカウント「NO YOUTH NO JAPAN」の多角的な教育
30代以下の選挙参加を推進するための情報提供アカウントです。選挙での政党の紹介以外にも、地方と都市との学生の格差や原発の問題など、選挙以外にもより広範囲な社会問題に関する情報の提供をしています。
2025月7月のSNS関連トピック
YouTube関連
・YouTube ショートのショッピング商品ステッカーのリリース
2025年6月18日、 YouTube Creator Insiderから、YoutubSshortsで商品紹介のURLを目立たせることのできる機能「商品ステッカー」の登場が発表されました。
このステッカーの登場により、視聴者が動画からリンクにうつるハードルを下げ、紹介したい商品のサイトを見てくれることが大幅に増えることが見込まれています。
・自動吹き替え「オートダビング機能」の拡大
動画内の音声をAIを使って翻訳し、音声にする機能の対応言語が増加しました。この機能は「オートダビング機能」と言います。この機能が以前よりも普及したことで、 Youtubeでの動画が今までよりも世界中に広がりやすくなりました。
しかし、AIによる翻訳技術はまだ発展途上であり、正確性や自然なイントネーションには改善の余地があるため、現状では完全に完璧な翻訳を期待することは難しいでしょう。
・「リーダーボード」機能を実験導入
YouTubeのライブ配信に、視聴者の参加度をランキング形式で表示する「リーダーボード」機能が試験的に導入されました。スーパーチャット、ギフト、コメントなどのアクティビティを総合的に評価し、上位3名には特別なバッジが付与されます。
この機能は、視聴者間の競争意識を刺激し、「他のファンよりも優位に立ちたい」「推しのクリエイターに名前を覚えてもらいたい」といった心理を働かせることが期待されます。これにより、スーパーチャットやギフトの利用がさらに増加し、クリエイターとYouTube双方にとっての収益増が見込まれます。
・コミュニティ機能の全クリエイターへの提供拡大
これまでは動画ごとのコメント欄が主でしたが、今回の機能拡大により、チャンネル全体で継続的な会話ができるコミュニティ機能が全クリエイターに提供されることになりました。これにより、視聴者同士が動画の枠を超えて交流しやすくなります。
一方で、懸念点として炎上のリスクが挙げられます。動画ごとのコメント欄であれば、炎上が限定的な範囲に収まる傾向がありましたが、チャンネル全体のコメント欄が常設されることで、一度炎上すると逃げ場が少なくなり、影響が長期化する可能性も考えられます。クリエイターは、これまで以上にコミュニティ管理に注意を払う必要があるでしょう。
・AIを取り入れた動画の収益化基準が強化
今回の改訂では、今までよりも動画の質を重視して収益化の可否を決めるというものです。
この改訂はAIを取り入れた動画について、今までよりも規制が強化されたと捉えられる可能性があります。AIの利用により作品の濃度が上がることは Youtubeも推奨しているところであり、AI自体の使用を否定するものではありません。今回の基準強化はAIによって増殖された低品質の動画を対象としている可能性が高いと言われています。
X関連
・ハッシュタグがついた広告の配信停止
6月27日、Xの広告配信にてハッシュタグがついた投稿は広告配信が不可となりました。これはXのAIの進化とかねてよりハッシュタグ廃止を訴えていたイーロン・マスク氏の意向と考えられます。この影響範囲は想定よりも広く、ハッシュタグ投稿キャンペーンやインフルエンサーのPR表記、第三者配信(X Amplify)など、SNSマーケティングにおいてハッシュタグを使ったマーケティングは多々存在します。
特にインフルエンサーのプロモーション表記はステマとならないよう注意が必要です。Xは他SNSのようなタイアップ設定(YouTubeの「プロモーションを含みます」表示やInstagramの「◯◯とのタイアップ」など)が備わっていないため、ハッシュタグを使わずにプロモーション表記をする必要があります。
・Companions を Grok iOS アプリで無料で試用できるように
人間の女性「Ani」と動物を擬人化した「Rudi」と言うキャラクターが新たな機能として制作されました。この機能では高感度まで付けられており、コミュニケーションにより高感度が上がる仕様です。好感度が上がるとキャラクターの動きが増える仕組みになっています。
・Grok4誕生
2025年2月18日にGrok-3が登場したばかりですが、早くもその性能を大幅に向上させた「Grok-4」が7月10日に発表されました。現在のところGrok-4は有料コンテンツとして提供されており、課金することでこの高性能AIを利用できます。
Grok-4は、従来のバージョンに比べて知的能力と推論性能が大幅に強化されており、より実践的な利用が可能になっています。さらに、X上ではDMからGrokに質問ができるようになる機能や、Grok Voiceモードの登場も予定されており、Xプラットフォーム内でのGrokの存在感は今後ますます高まっていくことが予測されます。
・AIの発展のため、政府はGoogle、openAIらに2億ドルを渡す
AIの発展をさらに加速させるため、米国政府はxAI社を含む4社に対し、総額2億ドル規模の契約を結んだことを発表しました。この投資は、AIの先進技術を国家安全保障に役立てることを目的としています。
この動きは、各国がAI技術を単なる産業発展だけでなく、国家レベルの戦略的な重要分野と位置づけていることを明確に示しています。政府主導の投資は、AI研究開発の速度をさらに押し上げ、世界的なAI技術の発展を強力に後押しすることになるでしょう。
Instagram関連
・リールの長さが20分に
最大3分だったInstagramのリール動画が、20分まで可能になりました。
これにより今までよりも長い動画が投稿できるようになり、今までよりも内容の濃い動画を上げられるようになりました。
このアップロードからは縦型動画が一般化していること、縦型動画を見る人が増えていることが考えられ、 縦型動画の評価の高さが伺えます。
・「Edits」テレプロンプター機能が利用可能に
動画撮影をスムーズにする「Edits」テレプロンプター機能が利用可能になりました。この機能は、スマートフォン画面に台本(カンペ)を表示させながら撮影できるものです。
テレプロンプター機能の利点は、台本がカメラのすぐ下に表示されるため、読みながら話しても目線が不自然にならず、自然な動画を撮影できる点です。また、台本が画面上を流れる速度もユーザー自身で調整できるため、自分のペースに合わせて撮影を進めることができます。これにより、台詞が多い動画や複雑な内容を伝える動画の制作が格段に楽になるでしょう。
・ライブ配信機能の利用条件変更
Instagramは、ライブ配信機能の利用規定を2025年7月上旬に変更しました。これまではアカウントがあれば誰でもライブ配信が可能でしたが、今後は以下の条件を満たすアカウントに制限されます。
- 公開アカウントであること
- フォロワーが1,000人以上いること
フォロワーが1,000人未満のアカウントは、自身でライブ配信を行うことはできません。ただし、他のライブ配信に招待された場合は参加が可能です。
・変更の目的と影響
この変更は、信頼性の高いアカウントのみがライブ配信を行えるようにすることで、Instagramにおける誤情報の配信や拡大を防ぐことを主な目的としていると考えられます。プラットフォームの健全性を保ち、ユーザーがより安全に情報を得られる環境を目指す動きと言えるでしょう。
この変更により、フォロワーが1,000人未満のアカウントは、ライブ配信を通じてフォロワーを増やす機会が制限されることになります。フォロワーを不正に購入して数を増やす行為は規約違反にあたり、アカウントに制限がかかる可能性があるため、地道に質の高いコンテンツを投稿していく方法でフォロワーを増やすことがこれまで以上に重要となります。
Threads関連
・メッセージ機能充実化
Threadsに特定のユーザーと直接会話ができるメッセージ機能が追加されました。この機能導入の背景には、InstagramとThreadsでつながっているフォロワー層が異なる場合があるという実情があります。Threadsだけで繋がっている相手とも密接なコミュニケーションを可能にすることで、プラットフォーム内での関係構築を強化する狙いです。
このメッセージ機能は、18歳以上のみが利用可能で、自分をフォローしている相手とのみメッセージのやり取りが可能という制限が設けられており、高い安全性が確保されています。
今後は、メッセージを送れる相手の範囲が広がったり、複数人でのグループ会話機能が追加されたりすることも予定されています。これらのアップデートは、Threadsが単なるInstagramの派生アプリではなく、独立したコミュニケーションプラットフォームとして確立していく意思を示唆していると言えるでしょう。
TikTok関連
・TikTok LIVE、ソニー・ミュージックレーベルズとタッグを組んだ才能発掘オーディションプロジェクト「シズクノオト オーディション powered by Sony Music Labels」始動
番組内では、ウィークリーチャンピオンを決める「ウィークリーチャンピオン決定戦」を実施。そこで勝ち抜いた各週のチャンピオンを対象に月に一度、「シズクノオト オーディション マンスリーチャンピオン決定戦」を開催し、その月のチャンピオンを決定します。マンスリーチャンピオンは、10月2日(木)に開催予定の最終回「シズクノオト オーディション GRAND FINALE」への出場権を獲得できます。「シズクノオト オーディション GRAND FINALE」で最終審査を経たグランドチャンピオン1名には、ソニー・ミュージックレーベルズ等から楽曲リリースをはじめとしたさまざまな特典を提供します。(TikTok/TikTok LIVE、ソニー・ミュージックレーベルズとタッグを組んだ才能発掘オーディションプロジェクト「シズクノオト オーディション powered by Sony Music Labels」始動!https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/tiktok-live-audition 2025.7.24引用)
TikTokを通じて楽曲がヒットする現代において、オーディションの場をTikTokに設けることは、参加者の楽曲が多くの視聴者の耳に届き、流行しやすくなる効果が期待できます。誰でも気軽に視聴できるTikTokで放送することで、たとえ優勝できなくても、曲の知名度を上げ、ダンス動画のBGMや個人の動画での利用など、多様な形で拡散される可能性を秘めています。
・女子プロレス「Sukeban」とのパートナーシップ締結
TikTokは、女子プロレスとアニメ・マンガ・ファッションなどを融合させた革新的なエンターテインメント「Sukeban」とパートナーシップを締結しました。ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2025」では、7月5日に「Sukeban World Championship Fight」がTikTokをプレゼンティングパートナーとして開催されました。
このコラボレーションでは、試合のライブ配信だけでなく、舞台裏の様子やレスラーのキャラクターに焦点を当てたコンテンツも提供され、ファンが多角的に「Sukeban」の魅力を体験できる没入型のイベントとなりました。これは、TikTokがエンターテインメントコンテンツの提供とファンエンゲージメントの強化に力を入れていることを示しています。
・TikTokshopの開始
従来はTikTokを見て気になる商品は別の購入サイトに飛ばないといけませんでした。しかし、ショート動画に商品購入ページを付けられるようになったため、TikTokを通じて動画で紹介された商品を最低限の手間で直接購入できるようになりました。
また、企業などの商品紹介アカウントではショッピング専用のページが追加されたり、アカウントに限らず商品を調べたり購入したりするためのエリアも登場しました。
日本での販売手数料に関しては未定ですが、動画と直結した購入サイトの出現は、これまでよりも視聴者の購買意欲を高めることが予想されます。
BeReal関連
・株式会社モッチハックによる広告パッケージ「Be Immersive Moment.」がリリース
株式会社モッチハックは、ソーシャルメディア「BeReal」と連動した新たな広告ソリューション、イマーシブ体験型広告パッケージ「Be Immersive Moment.」の提供を開始しました。
この新しい広告パッケージは、BeReal Japanが提供する公式アカウント機能「BeUP!」と、イマーシブなサウンド体験を提供する『imavo』を組み合わせることで、Z世代やα世代に響く「広告感の少ない没入型広告」の制作を目指しています。
BeRealの「加工なし」というリアル志向の要素と、『imavo』による没入感のあるサウンド体験を融合させることで、まるで「本物の体験」に近い動画コンテンツが実現可能になります。これにより、従来の広告とは一線を画し、ターゲット層に自然な形でブランドメッセージを届けることができると期待されています。
この動きは、広告業界が、特に若年層に対して、より authentically(本物らしく)かつエンゲージメントの高い形でアプローチしようとしている現状を反映していると言えるでしょう。
デジタルマーケティング支援は
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THECOOは「デジタル×コンテンツの力でブランドの価値を届ける」ことに重きを置いたデジタルマーケティング代理店で、SNSの消費者行動を中心にしたプロモーション施策の立案から実行までご支援します。インフルエンサーマーケティングやSNSマーケティング、広告運用を通じた集客、顧客獲得にお悩みの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
経験豊富な担当者が提案段階から納品、投稿までサポートしますので、長期にわたるキャンペーンやプロジェクトの場合でもご支援が可能です。また、プランニングや効果測定には独自開発のツールを活用し、データのご共有にも対応し、定性、定量の両面からブランドプロモーションの成功をサポートします。
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